(短編ふう)転生してゼノン討伐に参戦する。
倒れた老木に下半身を挟まれて動けない。
もう腰から先の感覚が残り少ないのがわかる。
視界の空は遮るものがなく高々として快晴だった。
鬱蒼と新緑が生い茂った森林生態系保護地域の初夏だ。
おそらく樹齢150年くらいの老木だった。
立っていた場所が青空の穴になっている。
繊細な森は、ぽっかりと空いた穴の影響でこれからしばらくの間、少しバランスを崩すだろう。でも、穴を中心に新たな新陳代謝が起こるはずだ。そのままそっとしておけば、やがてまた、少ない言葉では言い表せない多彩な緑が集う空間