映画レビュー(87)「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」(2023)


 新宿ゴールデン街で小さなバー「カールモール」を営業するマリコは同時に探偵もやっている。ある日、FBIと名乗る三人から、日本の施設から逃亡した宇宙人と学者を探してほしいという依頼を受ける。
 この全体を通すストーリーを、6本のミニストーリーで連作形式で描いている。それぞれ、1「歌舞伎町にいる」、2「歌舞伎町の恋」、3「鏡の向こう」、4「踏切を超えた時」、5「姉妹の秘密」、6「少女A」の順。
 監督は内田英治(「獣道」など)と片山慎三(「岬の兄妹」)で、6つのストーリーを2人で分業し1本の映画として作り上げている。主役の伊藤沙莉の魅力が光る。
「獣道」の頃から、若いのにいい役者だなあと思っていたら、この四月からは朝ドラ「虎に翼」で主役を好演してる。
 ハードボイルドスタイルのファンタジーとでも言えようか。70年代の「探偵物語」、90年代の「濱マイク」などの系譜を継ぐ作品かなあ。
 女性を主人公にしてハードボイルドを描く、いいんじゃないかなあ。伊藤沙莉さん、もう少し年輪を重ねたら、桐野夏生の探偵・村野ミロをやってくれないかなあ。

探偵マリコの生涯で一番悲惨な日


この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?