映画レビュー(101)「ノック 終末の訪問者」

おなじみナイト・シャマラン

 ストーリーは、ある一家(同性夫婦と養子)が森のキャビンで休暇を楽しんでいるところに、武器を持った4人組が突如押し入ってくるところから始まる。
 抵抗空しく人質に取られた一家に対し、リーダー格のレナードは「世界の終末を回避できるか否かは貴方たちの選択にかかっている」と告げる。
世界の終末を防ぐために、家族から一人、犠牲を出せというのだ。
 それができない時は、四人から順番に一人を殺していくという謎の儀式。
カルトなのか、それとも本当に彼らはビジョンを観ているのか、という揺らぎの中で物語が進む。
 ラストのオチはおなじみシャマラン節なのだが、私は釈然としなかった。
作品にではなく、ネタとなった聖書の予言や、犠牲を求めて信仰を試すような宗教観にだ。キリスト教やムスリムのような宗教観に、声高に反対はしないが、仏教徒の私には到底受け入れられないと思った。自己犠牲で美化しても、理不尽な犠牲を要求するものやことには抗いたいものだ。
 でもホラー・サスペンス物語としてはよくできている。
 シャマランは、ビジョンを観た人間の思い込みや、既存の宗教に対する違和感を、ホラーサスペンスに包んで提示したかったのかもしれない。

ノック 終末の訪問者


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