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【第12回配信】知られざる地下街〈蒲郡北駅前地下街〉に潜入‼

『八画文化会館vol.5 特集:駅前文化遺産』
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先行配信の第12弾をお届けします。

今日の記事は、頑張ってます。みんな大好き「G」こと蒲郡の、駅の地下にある異空間です。どうぞ。


蒲郡は「愛知県の熱海」と呼ばれる温泉観光地で、公共施設の4割近くが高度成長期に建設された寂れゆく旧市街地だ。八画文化会館では通称Gと称し、終末観光の聖地として度々詣でている。そんな蒲郡の玄関口である蒲郡駅に謎の地下街があるという。

蒲郡市役所に聞くと、地下道は3回にわたって工事が入り、第1期(現在も地下店舗が残る部分)1967年、第2期69年、第3期72年に工事完了した。第3期にできた部分は06年の高架化工事に伴い廃止されている。管理組合はなく、お店が直接経営しているとのことだったので店舗で話を聞いてみることにした。

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【目次】

1. 地元民が集まる蒲郡駅北口地下街
2. ちどり
3. 仁仙
4. 保志乃

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1.地元民が集まる蒲郡駅北口地下街

▲JR蒲郡駅の駅前ロータリー

2016年5月。蒲郡駅北口駅を降りると、再開発の済んだ何の変哲もない駅前が広がっていた。県庁所在地の名古屋から離れた地方都市で、地下鉄もないうえ、地下街を必要とするような人混みもない。

駅前を歩いていた60代位の地元男性に聞いた。蒲郡は高度成長期には、ガチャマン景気でおおいに儲かり、駅前の〈蒲郡名店街ビル〉にも繊維組合などが入っていたそうだ。

人口や高齢化のことにも詳しく、GWの祝日にも背広を着こなし、まるで地理の先生のようだった。蒲郡先生は、地下街には「やみつき」になるほど美味い焼き鳥と餃子があると相好を崩し、ほらここですよと地下街を指した――。

▲地下への入口は2か所ある


2. ちどり

「ちどりの一番の魅力はねぇ、25歳の時から店をやってるオオママの声!」

隣り合わせた男性客に話しかけると、上機嫌の答えが返ってきた。週に8回通っているという、超常連の建設会社の社長さんだ。

しかしカウンターを見渡すと、若いママが2人。「オオママ」という雰囲気ではない。聞けば75歳になるオオママの娘達で、三姉妹の次女と三女。タイミングよく、そこへオオママが「昨日深夜3時まで飲んでて、おなか痛くなっちゃったけど、ごはん食べたら治ったから」と魅惑のガラガラ声で登場した。

▲70周年記念パーティーも開催したそうだ

今年2月で70周年を迎えた〈ちどり〉は、平日はカウンター7席が埋まり、店内通路で立ち飲みが出るほど常連に人気の店。

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