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カモシカ可愛い~

あたす、ズレてる!?

最近、衝撃の事実を知った。

もしかして「ニホンカモシカ可愛い〜」とか言ってるの、私だけなんじゃないか!?

え!?

私は、ニホンカモシカが好きだ。

一昨年、岐阜県恵那市飯地町に来てから、
家にニホンカモシカがやってくるようになった。

しれっと来ては、しれっ草を食べて、しれっと帰っていく。

そのたびに、すっとぼけた顔と、もふもふのケツを拝ませてもらった。

可愛いなあ…

いつのまにか彼らのことが好きになっていた。

もふケツ!!

先日、カモシカ好きが高じて、
「KAMOSHIKA PARADISE(カモシカパラダイス)」というネットショップを立ち上げた。

これからSNSで発信もしていこう!

と、手始めにSNSでどれくらいニホンカモシカの投稿がされているのか、調べてみた。

ニホンカモシカの投稿をしているアカウントは、大まかに二種類ある。

1、ニホンカモシカを飼育している動物園

2、たまたまニホンカモシカに遭遇した人

1、ニホンカモシカを飼育している動物は、
"宣伝"のために投稿をしている。

可愛いカモシカの写真をアップしているが、
あくまで、ニホンカモシカは飼育している数ある動物のひとつ。

そのなかで、たまたまニホンカモシカがピックアップされている、という感じだった。

では、2、たまたまニホンカモシカに遭遇した人のアカウントは、
動物園とは違って、完全個人のアカウントになる。

とはいえ、こちらもニホンカモシカだけではなく、
他にもいろんな動物を撮っていたり、
もしくは自然の風景を撮影する「ネイチャー系」の写真のなかのひとつとしてアップしている。

ニホンカモシカに遭遇して、「レアだ!写真とれた!嬉しい」といったコメントはあるが、

「カモシカ可愛い~」と言っている人は見当たらなかった。

あれ?

「カモシカ可愛い~」とか言ってるの私だけ?


はじめて衝撃的な事実を思い知ったのである。

そもそもニホンカモシカって何?

師匠「そもそも、皆ニホンカモシカ自体知らないでしょ。
それに、ウチは特殊。
家にニホンカモシカが毎日やってくるなんて、普通ないから!」

確かに、私も飯地町に来るまでは、ニホンカモシカ自体知らなかった。

田舎では当たり前にニホンカモシカがいるが、
市街地にしか住んだことのない方は、見たことすらないかもしれない。

こんな感じで来ます

念のため「ニホンカモシカって何?」という方のために説明すると、

ニホンカモシカは、日本固有種の動物で、ウシ科カモシカ属に属する。

「氷河期からの生き残り」と言われているほど、日本には古くからいるとされている。

しかし、戦後の乱獲から、個体数は減少。

1955年には「特別天然記念物」に指定されたものの、
植林した苗や農作物を食べてしまうことから、一部で狩猟が解禁になってきている。

ヒノキも爆食いする

このように、ニホンカモシカには結構複雑な背景があるが、
彼らは普通に、いる。

飯地町内を車で走っていると、
田んぼのあぜ道で、ニホンカモシカが草を食べていたりする。

ニホンカモシカには縄張りがあるので、出没する場所が決まっている。
お気に入りの「食事スポット」があるらしい。

道中で出会ったカモシカ

あ、カモシカだ!と車を止めると、
なぜか分からないが、こちらをじいーっと見つめてくる。

道の真ん中にカモシカが立ち塞がっていたこともあり、車で2メートルくらい近づいても逃げなかった。

このときも、やはりじいーっと見つめてくる。

めったに家から出ない私でも何度も見かけるから、
日本の田舎ではニホンカモシカは珍しい動物ではない。

「見つかった!!」

ニホンカモシカは厄介者

ただ、ニホンカモシカのことを「可愛い」と思う人は少ないかもしれない。

まず、ニホンカモシカが出没する田舎では、彼らは「厄介者」だとされている。

農作物を食べてしまうからだ。

飯地町では、農業を生業にしていたり、個人で畑をもっている方が多い。

手塩にかけて育てた農作物をパクパクと食べれたら、たまったんじゃない。

柵で畑をかこっても、カモシカがぴょーんと飛び越えたり、柵を前足で壊してしまったりする。

だから、飯地町ではカモシカのことを良く思っていない人は多い。

こう見えて、跳躍力エグいらしい

しかし、ひと昔前は、カモシカかイノシシといった「よつあし」の動物に畑や田んぼを荒らされることはなかっという。

だから、畑も柵で囲わなかったとか。

ニホンカモシカも山奥に住んでいた。

「幻の動物」といわれるほど、人里におりて姿を現すことはなかったらしい。

今や、ニホンカモシカやイノシシ、サルといった動物は、どんどん人里に進出している。

これは、一体どういうことか?

家の裏から見下ろしてくるカモシカ

はっきりとした原因は分からないが、
狩猟禁止や天敵がいなくなったことで数が増えたこと、
山の植生が変わって食べ物が減ったことが考えられる。

いずれにせよ、結果として、農家と林業が被害をうけた。
カモシカは、手塩に育てた農作物や苗を食べてしまう。

私たちは畑をやっていないので、カモシカが来ても困ることはないが、
生業として農業や林業をやっている人は厄介だろう。

だから、「カモシカ可愛い~」と思うどころか、「あの野郎~!」と思っているひとの方が多い。

世間的にみたら、「カモシカ可愛い~」と言ってる私の方が酔狂だ。

「意外と可愛い顔してる」

去年、飯地町のイベントで師匠と作品を展示することになった。

私は師匠についてアート活動をしてきたが、「カモシカ」を作品の題材にすることが多い。


しかし、飯地町では、カモシカを見慣れている人が多い上に、カモシカが良く思われていない。

それでも、自己紹介がてら、出してみっか。

「ニホンカモシカ」の作品をいくつも展示した。


そしたら、予想通り、写真を見ただけで皆「ニホンカモシカ」だと分かってくれた。

銀座で展覧会をやったときは「この動物何ですか?」と聞かれることが多かったが、
飯地町ではそんな質問はない。

どんな反応になるのかなとドキドキしていると、
まじまじと作品を見て、

「カモシカって案外可愛い顔してるんだね」
と言ってくださった方がいた。

!!

飯地町の方たちはカモシカを見慣れているにもかかわらず、じっくり彼らの顔を見たことはない。

そうか、皆カモシカのことをちゃんと見てなかったのか…

そこで初めて気がついた。

よく見ると、つぶらな瞳をしてる

「実は名前がついてるんですよ。これはかも吾郎、これはかも吉、これはかも奈です。」

そしたら、「え!カモシカの見分けつくの!」と驚かれた。

私は望遠レンズをつけたカメラで見ているから彼らの見分けができる。

でも、普段ちらっと姿を見ただけでは分からない。

見慣れているのに、ちゃんと見てない。

いや、見慣れてるからこそ、関心がなくて、ちゃんと見てないのかも?

よく見たら、何かが変わるかも?

ペットや家畜として飼っていたら、もっとニホンカモシカに関心をもつ人がいたかもしれない。

しかし、ニホンカモシカはあくまで野生動物。

温厚な性格のため、人を襲うことはないが、
かといって懐くわけではない。

我が家にやってきてくれるニホンカモシカとはすでに顔なじみで、カモシカも私達のことを認知してくれている。
それでも、2メートル以上は絶対に近づけない。

近づこうとすると、めんどくさそうに尻を向けて遠ざかっていく。

人間どもが来たから、ぼちぼち帰るか

つれない?

いや、そこがいいのよ!!

草を食べているところを見せてくれるのに、絶対に近づけない。

絶妙な距離のとりかたが好きだ。

そして、あの、すっとぼけた顔!

「特別天然記念物」に指定されたり、煙たく思われたりしても、
どこ吹く風と言わんばかりに、なんともない顔をしている。

yes, and?

「カモシカって案外可愛い顔してるんだね」

飯地町で展示をしたときに言ってくださった言葉を思い出す。

よく見たら、何かが変わるかも…?

複雑な背景があることも、
ニホンカモシカという自体知らない人が多いことも、
重々承知している。

その上で、私はあえて言ってみたい。

カモシカ可愛い~


カモシカグッズだらけの「KAMOSHIKA PARADISE(カモシカパラダイス)」も是非ご覧下さい!


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