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<本物の醤油は生き延びる>糸島で見つけた樽だけで仕込むこだわり北伊醤油

樽で仕込んだ本仕込みの本醸造醤油は微生物が美味しさを作る


美味しいほんとうの醤油、使ってますか?

今回、九州の福岡、糸島へ視察ツアーで訪れた時に引き寄せられるように、たまたま出会った北伊醤油さん。

大正時代に作られた大きな杉樽の原材料はすべて天然素材。

昔から伝えられた製法を21世紀になった今も変えず、天然醸造の本醸造を作り続けているという貴重な醤油メーカーを見つけました。



蔵の方に伺うと、仕込んだ火入れした醤油を入れたタンクの中から湯気が立っていて醤油の香ばしい香りが蔵の中に漂っていました。



地方でこだわりの発酵ものをハンターしている私の中では、ちょっとした発見&出会いを感じた感覚があったのでした。

あと、発酵調味料の醤(醤油でしこむ万能発酵調味料)を常備して、レッスンも行っているのでおすすめ醤油をずっと探していたところだったのです。

それと、養鶏をやっている農家とのコラボ商品、究極のTHGセット(卵かけご飯)の美味しい醤油を探していたタイミング!!



萌えポイント!木樽だけで熟成醸造の本物の醤油

さてさて、、私の今回の北伊醤油さんの発酵萌えポイントは・・・なんといっても樽だけで仕込んだ醤油のメーカーだってこと。


蔵見学に今回行ったメンバーは、濃ゆい講師メンバー(薬膳の先生、メディカルハーブの先生)と一緒だったので相当突っ込んだレアな質問が多かった蔵見学となりました。


社長から、今回ただならぬメンバーだと察知されたのか

通常の案内では見せることはない、16つの木樽が並んだ蔵の倉庫も特別に見せていただくことになりました。


こちらは社員の方が毎日かき混ぜにくる時しか開けない、という蔵で、醤油の発酵しているまさに発酵場!!

木樽にいっぱい詰められた醤油のもろみは、ビニールの覆いもなく(発酵して呼吸しているので)蔵付き酵母が樽ともろみを育てているようでした。

二年半から四年発酵させていくため、水分が蒸発して数年経ったものは、ちょっと量が減って、なおかつ色もメイラード反応によって濃い茶色になってます。



樽を上から見ると、樽によってもろみの量と、色が違うので仕込んだ年代が一目瞭然です。

足場がふらついて樽の中にダイブしてしまいそうな感覚に囚われましたが、今までもろみの中に落ちた方は居ないようです。


ちなみに、間違えて落ちた場合は、この樽の醤油を全部お買い上げ!ということになるそうで、数千リットル?になるのでしょうか・・?!

(私の母が小さい時に肥溜めダイブしてしまったことがよぎりました)



話は脱線しましたが、この杉の木樽、、、今では樽職人が少なくなって次の担い手が居なくなってきているのでとっても貴重な樽ですね。

いつまで、この樽たちが活躍できるのかな。。。なんて未来のことを思ってしまったのでした。


今や、主流となっているステンレスの樽、それではなく

こちらの北伊醤油さんでは一番若い樽でも80年前に購入した杉の樽だそう。


それって、戦後やんか・・・

すごい歴史を感じますねえ。


もう、それって杉の樽の木の木目や隙間にもびっちりと北伊醤油さんの醤油になるための美味しい菌たちがいっぱい住み着いている樽ってことだろうな。

ある意味、それって財産。いや、資産。


しかも、今回蔵を案内してくれた山上弘司社長によるとその、杉の樽で仕込んだ醤油は最低二年半かけて熟成されて醤油が出来上がるそう。


通常他の大手のメーカーでは、一年とかで絞って出荷されるのだけど、

二年半て!かなりの熟成具合。しかも再仕込み醤油(醤油を絞った後に、さらに麹を入れて再度発酵、熟成させる)は、四年半もかけて仕込まれています。

通常そんな時間かけて作るってなかなかコストかかるしやってるメーカー少ない中で、すごいなあと関心。



そんな、天然本醸造!の北伊醤油のこだわりはこちら


旨味のアミノ酸も醤油粕から自家製造!!?


美味しい旨みの添加するアミノ酸も、自社で製造!されているというこだわり。


こちらは醤油粕をしぼるシステム

一般で売られている醤油の裏ラベル、見たことありますか?

いろんなメーカーの醤油をみると結構色々と、旨み調味料の添加物が入ってるものが多いのです。

こちらの北伊醤油さんでは、自社で醤油を絞ったカスを利用して、アミノ酸の旨み成分を抽出して作っているため、他から添加物を買ってくることはしてないそうです。

そして最終的に搾り取られた醤油粕は農家さんへ土壌改善のために流通されるそうです。まさに循環ですね!



北伊醤油さんのこだわりの蔵見学

醤油の蔵見学はこんな感じで説明してもらいました。


1、醤油ができるまでの行程の説明



2、大豆を蒸すための圧力鍋と、麹作り、麹室の見学、説明



3、醤油の絞りかすから取り出すうま味調味料のアミノ酸、絞り粕の活用方法


醤油粕と醤油を絞る機械

4、実際に仕込んだ醤油のできるまで、蔵で醤油のもろみの発酵させている様子、かき混ぜ方、メンテナンスなど


ダイブしそうになるけど、気をつけてーーー


5、北伊醤油さんの商品のテイスティング、プリン+醤油のテイスティング



しょうゆプリンは絶品
醤油とプリンは合う!甘塩っぱいが日本人は好き。

伝統の発酵醸造である、純もろみ醤油とは?

ふつうの醤油は、調味料や着色料で色や味や香りを調整しますが、 天然醸造の「純もろみしょうゆ」には、一切の添加物は使用しておりません。

日本の伝統調味料である醤油・味噌・清酒等は、日本古来の先人の知恵で作られ、守り継がれてきた発酵醸造食品です。

発酵醸造食品は、麹菌、酵母菌などのさまざまな微生物たちの働きによって熟成され、この発酵調味料であるしょうゆが現在見直されています。

しょうゆは日本の誇る万能調味料です。そして各地域ならではの特性を発揮し発展させて、地域の食文化を育んできました。

<北伊醤油さんのHPより引用>

という、醤油作りの現場を五感で感じて見たい方におすすめです。



醤油の作り方など興味ある方がいれば、気軽に問い合わせ予約をすると見学案内、テイスティングを用意してくれますのでぜひ、糸島にきた際には寄ってみてくださいね。
ラッキーなら山上社長が案内してくれるかも?


本物の醤油、そういう発酵醸造の仕方をして作られたものにはパワーと命が宿る。
色々なものが入らなくても、時間と微生物が美味しい魔法をかけてくれると信じてますます発酵の世界と先人のものづくりに脱帽してしまいます。

百年残るものは、千年残る、そう信じて、地球上の循環のバランスと必要なものが残り、それによって人間も生かされているのを忘れないように生きていこう。

工場長を捕まえて色いろ聞き出す薬膳の先生。
あくの強い講師と北伊醤油さんの社長、工場長と


北伊醤油HPはこちら(オンラインショップもあります)



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