減量体験記4 食事

 体重増加要因 その3 食事

東京の一人暮らしから、実家での静養になったため、食事は母親が用意してくれていました。

しかしその量が、今考えると実におかしい。
朝食用に、おにぎりなら4~5個。
茹でた2人前のパスタに、2~3人前用ソースを一度で使い切り。
カレーのご飯は、皿に山盛り。
なぜか常に「1人前以上」が用意されていました。
こちらは、日々ボンヤリとしていて、減量にまで気が回る状態ではありません。満腹かどうかも、あまり意識できていなかったと思います。出されたものは、苦しくならない限り食べ尽くしていました。
しかし、三食を大量に食べていたにも関わらず、夜中に目が覚めた時は、空腹を感じることも。そんな時、外に出る気力が沸いてからは、深夜・早朝でもコンビニに行き、お菓子やカップ麺を買い食い。

※山ほど食べていた上、毎日ほとんど寝ているだけなのに、なぜお腹が空くのか?その答えは減量を意識し、知識をつけていく中で見えてきました。

食事に関係する、逸話を。

社会復帰の助走として、短時間のアルバイトを開始。それから1年以上経ったある日(2009年の冬頃)のことです。
実家のお隣さんとは、現在20年以上のお付き合いがあります。齢80を超えているそうですが、どちらも元気な御夫婦。その奥さんと道で話をする機会がありました。

 「随分元気になって。良かったわねぇ。(あなたの)お母さんが悩んでいる様子だったから、私も心配していたのよ」

 「ええ、ありがとうございます。(母が悩んでいた…?)」

お隣さん曰く

 「回復が目に見える病気ならまだしも、良くなったと思ったら頭痛が再発したり、減った薬の量がまた増加したり。自分は母親として、何をしてあげたら息子が元気になるのかわからない。せめて沢山食べたら早く元気になってくれるのではないか」

うちの母は、そんな思いから沢山のご飯を用意してくれていたのです。
僕はこの話を聞き、病気だった頃は母にそういう心配をかけていたこと、悩みを抱えさせていたことに改めて気づかされました。心の病に沢山のご飯。それもほとんど炭水化物。無知と言われれば無知なのかもしれません。けれどその話を聞いた後、僕には穏やかな感謝の気持ちが沸いてきました。そして、元気になれて(その悩みから母を解放できて)よかった、とも。

その思いは受け取りつつ、体重増加の要因を分析した時、一番の原因は、この期間の「食べすぎ」で間違いないでしょう。大量の三食(+α)を、食べられる限り食べ続ける。ほとんど運動をしない。いま思うと、フォアグラのガチョウか鴨みたいだったな、と思います。

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誤解をおそれずにいえば「間違った愛情にさらされていた」という感じです。とはいえ、その時期を経て120キロに達し、体調を崩したことで一念発起し、減量に取り組むことになったのも事実。災い転じて福となす、といったところ。(記 2019/02/23)

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