減量体験記11 PDCAサイクル1

「統計的品質管理の父」と言われるウォルター・シューハート(Walter A. Shewhart)、その後を継承し、日本でも講演を行ったエドワーズ・デミング(W. Edwards Deming)らが提唱する「PDCAサイクル」という概念があります。その名称は、サイクルを構成する4段階の頭文字から。

 1. Plan(計画)
 :従来の実績、将来の予測などから業務計画を作成
 
 2. Do(実施)
 :計画に沿って業務を実行
 
 3. Check(点検)
 :業務の実施が計画に沿っているかどうかを確認
 
 4. Act(処置)
 :計画に沿っていない部分を調べて対処

この4段階をP→D→C→Aの順に行い、最後のActを次のPDCAサイクルのPに繋げる。再びサイクルを開始し、1周ごとに向上(スパイラルアップ)させ、継続的な業務改善を実施。止まることなく運営され、その過程での改善を求められる管理システムやソフトウェアの開発、労働安全マネジメントシステムなどに用いられている考え方です。

時は109kgになった、2008年9月。

この概念を元に、僕は自身の減量“失敗体験”を振り返ってみました。

 ■  Plan(計画)

そもそも「何kg痩せよう」「何kgにしよう」と決めていないことに気づきました。
具体的な目標を定めないのは、詰めの甘い人に共通する特徴。このあり方は、日々数字に追われるというプレッシャーから解放される代償として、目標の達成感を著しく奪います。
そしてかなり高い確率で、目標を達成する日の到来も。

僕は仕事で学んだことを思い出しました。

 「まず計画表に数字を入れる」

いつまでに、なにを、いくつ、どうしたいのか。セールスで言うなら「今月末までに」「主力商品を」「五件」「顧客に購入して貰う」等。

昔とは筋肉の占める割合は違っているだろうけれど、自分の身体のことだし、きっと不可能ではないだろう。不可能(あるいは更に減らせそう)と分かったら、その時に目標を修正すればいい。
目標は二十歳の頃の体重「70kg」と定めました。
(期限である「いつまでに」がない理由は後述します)

 ■ Do(実施)

無計画ということは、実施することが行き当たりばったりだった、ということ。
軽作業のアルバイトで11kg減ったのは、痩せようと思って動いたからではなく、社会復帰のために頑張った結果。棚から降ってきた牡丹餅に過ぎなかったわけです。それでも体重が減っているなら結果オーライと言えますが、どうやら世の中、牡丹餅ほどには甘くない。それを見透かしてか、9月以降、体重はパタッと減らなくなります。(こちらの理由も後述)

更なる減量を達成するために、過去の失敗体験を踏まえた新たな計画を立てる必要性を感じました。

***

このPDCAサイクルを、どこまで忠実かつ厳密に実践できたかは疑問ですが、自分を見つめなおす際の指針になったことは確かです。また、その軌跡をこうして文章にするために回想し、推敲を重ねたことも、自分の意識を減量に向ける大きな助けになりました。
すべての人が、自身に起きた出来事のすべてを、他人に公開する義務も必要もないと思っています。その一方で、自身に起きた出来事を記録しておくことは、様々な面から見て非常に有意義な行為である、とも考えています。 (記 2019/02/24)

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