見出し画像

さっぱり盛り上がっていない

(写真はみんフォトから「太陽の塔」)

 「大阪万博の建設工事費が想定の1.5倍になっている」という記事があった。円安やウクライナ情勢による建築資材の高騰が主な原因らしい。

 関東に住んでいるためなのか、大阪万博についての話題や報道に接する機会は極めて少ない。「あ、そういえばそんなのもあったねえ」くらいの気分だ。

 改めて開催予定をチェックして、2025年4月の開幕だと知る。公式ホームページは「想定来場者数2820万人。経済波及効果2兆円」と謳っている。 「へえ、そんなものですか」以上の感想もなく、さっぱりワクワクしない。きっと関西のマスコミはもっと騒いでいるのだろうが。

 自分にとって「万博」といえば1970年の大阪だ。SFの世界がそのまま飛び出してきたようなパビリオンたちにうっとりさせられた。中でも真っ先に思い浮かぶのは、なぜか岡本太郎の「太陽の塔」ではなく、「ガスパビリオン」。あの丸っこい形状こそが私にとっての“輝かしい未来”そのもの。「ガスパビリオン」という名前だって心に焼き付いて離れない。円盤状のソフトを挿入すると立体写真が次々に見える機器も買ってもらって、何度もうっとりと眺めたものだ。

 当時は小学校1年生。キョーレツにせがんだが、「弟がまだ小さいから無理」と言われて、「こいつの存在のせいで」と恨んだものだ。いま思えば6歳の自分だって十分に足手まといだったわけだが。

 「太陽の塔」だけではない。そういえばエッフェル塔だって、元来はパリ万博の“レジェンド”だ。しかし、21世紀のいま、こうしたハコモノに集客してモノを見せるというイベントにどれだけの人がワクワクするのだろう?自分が爺さんになって腰が重くなっただけではない「時代の流れ」を感じる。
 
 東京オリンピックも然り。

コロナ禍で盛り上がらなかったのは東京都民も同じだが、それ以外の地域の方はさぞシラケた気分でいたのだろう。大阪万博を考えていて、初めてそれに気づいたのである。
(22/10/27)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?