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共通テスト出題予想 【英語】


出題予想 共通テスト「英語(リーディング)」


① 「6000語を80分」で読む&解く

共通テストの総語数は約6,000語。国公立大二次試験の読解問題(総合問題)が平均600語程度、それを10題(80分で)読むペースが求められている。そこに解答時間を加味すると ,
解答を考える時間などを考慮すると、1分間に150語程度のスピードで読む必要がある。共通テストのリスニングの読み上げ速度が1分間に130語程度であり、それよりも速い速度で読むことが求められている。
時間配分については、第1問~第3問を30〜35分程度を目安にし、残り時間で第4問以降に割り当てる。

②全体を把握する「SKIM」、細部に注意を向ける「SCAN」

共通テストの設問は、大きく分けると「本文全体の流れの理解を試す問題」と「細かいところの理解を試す問題」の2つがある。速読を意識するあまり「ざっと読んでその英文が何について書かれているのかを理解すること=SKIM」ばかりに意識を向ける生徒も多いが「何となく理解できる」というレベルでは得点率70%を超えることは難しい。
英文中の解釈が難解な箇所(文法的・意味的)については、ほぼ間違いなく設問に関連しており、さらに設問の選択肢も相対差の少ないものが多い。ゆえに、本文・選択肢問わず「確実な文法的解釈・訳出ができる力=SCAN」を直前まで磨き続けることが必須。

③単線型から「複線型」へ / 正解ではなく「最適解」

設問で問われる部分を本文から抽出し解答へ導くという基本形式は変わらないが、本文の一箇所から解答が導ける「単線型」から、資料・本文中の複数箇所から解答を導く「複線型」のものが大幅に増えている。安易に一箇所のみから解答を導くと大きく失点する恐れがあるので要注意。
また、選択肢間の「差」が読み取りづらいものが増加傾向にあり、クリアに導ける正解ではなく、最も設問要求に近い「最適解」を求められていることを念頭に置いておくべき。そのためには、客観性の高い「設問要求の理解・各選択肢の正確な訳出」が必要であり、語法・句法レベルでの同義語/類義語間の差をしっかり理解しておくなどの対策が必要。


各設問ごとの予測・対策


第1〜4問 情報の読み取り

共通テストでは英文だけでなく、図や表、グラフなどの与えられた資料から答えとなる情報を推測することも重要。そのためには英文に書かれている状況や条件を把握し、資料から必要な情報を参照することが必要となる。自分が何を問われているのかと、資料からどの情報を探さなければならないかを正確に把握することがカギとなる。さまざまな形式の資料に慣れておこう。また、時事的に新しいテーマを取り上げることで、実践的な能力を重視した問題も導入される可能性もあり、英語表現の多様性という意味では、第2問と第3問ではイギリス英語特有の表現が用いられてもいた。
「情報検索+情報編集力=思考力」つまり、初めて見る資料, 未知の情報が思考力を養うという理念は変わらないので、多種多様な文章や資料に慣れるようにしよう。もし可能ならば「TOEIC・IELTS・TOEFL」などの外部検定試験の参考書・予想問題を使って演習するのもかなり効果的(日本独特の受験英語表現ではなく、Nativeの日常使用する表現が多用されているので、二次試験を見越した効果が期待できる)

第5〜6問 説明文の読み取り

英語長文は、文と文とがつながり出来上がったものであり、そのつながり方は、大きく分けて「逆接・対比、因果関係、具体化・抽象化、言い換え、追加・列挙」と分類でき、 その関係性を示す英語表現を*「Discourse Marker」と呼ぶ。それらの働き・特徴を理解することで、段落のトピック、文章全体のトピック、そして筆者の主張が見えてくる。 また、Discourse Marker のない部分も、できるだけ補うつもりで読む。

「エッセイ・伝記」
・登場人物の人物像・その関係
:人物像の読み取りを重視する。複数いる場合、それぞれの関係をメモしておく。
時間・空間の変化:時間については、時を表す副詞(句・節)、動詞の時制に注意。空間については、場所、場面の展開に注意。 切れ目にはスラッシュを入れる。

「記事・論説文」
段落ごとにSTOP・メモ:各段落の終わりでいったん目の動きを止める。論理展開を確認し、流れ、トピックをメモする。
段落のつながり:段落の進行にあわせて、段落間の論理展開、つながり方を確認する。序論(Introduction)、本論(Example/Body)、結論(Conclusion)の全体像を把握する。

Discourse Markerを活用して「立体的読解」を
・例えば「前者/後者」を表す英語表現には、”the one / the other, the former / the latter”などがあるが、その仲間の ”here / there”を例にとってみよう。
英文中に”here(ここに) ”とあるが、特に(場所)を表す文脈では無いとする。その場合、場所ではなく”here(後者) ”を表している可能性がある。その場合、即座に英文をさかのぼり”there(前者)”に相当する部分を探し出し、その両者”here(後者) / there(前者)”を対比的・対照的に読み直す。
このような「立体的読解」を意識できるようになれば、確実に今よりも得点力UP、読解時間の短縮が可能である。


「読む・解く」ためのアドバイス


共通テスト英語の「解法スキーム」

読むに従い考える
「読む」とは、文頭から順に読んでいくこと。その過程で、構文・文法事項を駆使し「読むに従い考える」ことを意識する。ここで一つの例をあげてみよう。
He looked so happy when he found it true that I thought I did well.
 ↓
He looked so happy / when he found / it true / that I thought / I did well. 
 ↓
He looked so happy / when he found it true / that I thought I did well.
「語→句→節」と意味の集合をとらえ、それを「節→構文」に発展させる(この英文は、so..that構文、it..that構文のいずれか、前後の文脈で判断する)
そのメリットとして、”so“や”it”が見えた時点で、その先にくるであろう”that”の出現という、先の英文が予測でき、読み解く速さが向上する。

速読とは?
「速読」=「読解力」ではない、読むに従い考える力、つまり、一読でよどみなく内容が理解できる力こそが「読解力」である。 
「トピックに関する背景知識」×「文法力・構文力」×「未知の語彙の推測力」×「論理構成力」×「訓練した時間」
これ以外に「読解力」を養成する方法はない、試験前日までそこを意識してトレーニングを続けよう。

選択肢を選ぶ「△の活用/ サシカエ」

選択肢にはO✖︎△
Oと✖︎だけで判断しない、正解・不正解の根拠が曖昧な場合は△も活用する。例えば、✖︎✖︎✖︎△と分析された場合、その△が正解=最適解となる。

内容一致問題が中心
選択肢に対して該当する本文箇所を探し、表現の違いが意味の違いになっているか、つまり「サシカエ」になっているかどうかを細かく検討する。

*「サシカエ」のパターン例
 比較表現
・「基準」をサシカエ
A is better than B. ≠  A is more than B.
・「対象」をサシカエ
A is larger than B.  ≠  B is larger than A.
・「程度」をサシカエ
A is higher than B. ≠  A is even higher than B. 
・「数値」をサシカエ
A is ten times as large as B. ≠  A is one tenth as large as large as B.

 否定表現
・「全否定と部分否定」のサシカエ
not ~ at all  ≠  not ~ all. 
・「肯定➡否定」や「否定➡肯定」のサシカエ
・「準否定(rarely/seldom, hardly/scarcely, little/few)」のサシカエ

 因果関係
・「因果関係」のサシカエ
A result in B. ≠  A result from B. 
・「因果関係:表現」のサシカエ
Her experience permitted her to do well in business. ≠ She could do well in business, so she experienced so much.

 仮定法
・「仮定法⇔直説法」による書き換え
If you had allowed her to go, she could have seen him in time.  ≠  She missed him because you didn’t let her go.

 主客関係
・主客関係のサシカエ:A replace B.  ≠  A change into B.


いま、やるべき対策は?


演習問題をこなす(形式になれすぎることは✖︎)

質の高い精読ができる状況を前提として、やはり英文読解の量は必要である。しかし、共通テスト形式にこだわるのではなく、センター試験の過去問や模試(特に、第4問のグラフ、第5問・第6問の説明文)などを活用して様々な形式に触れておく。基本的に、問題形式は「毎年変わるもの」とし、試験本番でも柔軟な対応をするために、形式そのものに慣れすぎてしまわないようにする。

「Reasoning/ リーズニング」の徹底

演習問題をただこなすのではなく、本文の表現と選択肢のサシカエられたパーツ・パターンを明確にする「Reasoning / リーズニング」が重要。正解ではない選択肢のほぼ全てにサシカエが施されているので、それら全ての選択肢が正解ではない理由を、決して曖昧なままにせず分析することを徹底する。それによって「受験生=解かされている側」ではなく「出題者の観点=テストの本質」が見えるようになる。

語彙力の養成(特に名詞)

英文中に使われる未知の単語(形容詞・副詞・動詞)は、文脈によっては何度も反復されるので推測しやすい。しかし、未知の単語(名詞)は、その文中のその箇所のみで意味を持つことが多い。例えば、“dichotomy(二頭政治)”、”atheism(無神論)”などのような出現頻度の低い専門的・抽象的な名詞よりも、”diamonds(トランプのダイヤ)”、”sitcom(アメリカのホームドラマに多いシチュエーションコメディ”、”parentheses(丸括弧)”などのように、欧米社会で日常的に使われている英語表現(名詞)には要注意。テスト直前まで、WEBなども活用してまとめて覚えておくだけで、英文の理解度・速度は格段に上がる。


平均点の推移(過去3年間)


平均点
・2023年 53.81
・2022年 61.80
・2021年 58.80


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