見出し画像

既定ルート外で最短で農地を借りる

前回、農地を借りる方法を書きましたが、その後の動きの中でもう少しわかったことがありましたので、続きを書いて行こうと思います。
そして前回の記事にプラスすることで何年も掛けずに農地を借りれるかもという内容にまとめていきたいと思います。

まずはそこまでの経緯から。

市町村や担当で全然違う対応

昨日、再び熊谷市の農業委員会事務局に農家証明書なるものを貰いにいってきました。
そこで改めて感じたのが、熊谷市では元々の繋がりや実家が農家だったという理由なのか、単純に担当してくれた方がいい人だっただけなのかわかりませんが、市町村で対応が全然違うものだなーっと感じました。

現在の住まいがある春日部市でも農地を借りたいと思い、農家になれたというのもあったので、春日部市の農業委員会事務局にいってきたのですが、お決まりの農家ですか?農業経験は?などの30分程度の問答のあと最終的に農家証明書をもってきてという話になりました。

今研修でお世話になっている農場があり、自宅がさいたま市と春日部市のほぼ境なので、さいたま市にも問い合わせをしてみたら、HPから借りたい場所を指定してくださいとの話でした。

しかし、さいたま市の方は研修先に確認の連絡が入り、その際に農地を借りることについて色々と教えてくださいと研修主さんが電話口でさいたま市の方に言われたようで、色々と話をさせてもらったのですが、「すぐには無理かもしれないよ」というような話をされました。

また市によって農地の管理方法も違っていて、春日部市は上の記事で紹介した全国農地ナビ上で管理をしていて、さいたま市はHP上でPDFのリストを公開していました。
さいたま市の場合は、公開しているのが何丁目までなので具体的な場所がわからず、再度問い合わせなければいけないという手間が。。。
しかも、問い合わせたら担当の方のちょーーーーーーめんどくさそうな対応で地番を聞くだけなのになぜか心が折れかかりました。。。

春日部やさいたま市での農地を借りるほうがこれから借りたいと思う人の参考になりそうなので、このあとどうなるかも動きがあったら書くようにします!

既成事実を作ってしまおう

研修主さんは10年前に都内でのサラリーマン生活を早期退職して、農家の家系でも繋がりがあるわけでもない、しかも今よりももっともっと新規就農者には厳しい環境で、2年自然栽培農家を始めたなかなかのつわもので、話をお聞きしたときに色々なヒントを聞くことができました。

研修主さんのころは最初に農地を借りるときにはその地域の農業委員さんの前で面接みたいなものをして、主に4つのツッコミがあったみたいです。
それに関しては今も変わらずなので、下記の4つをクリアできる状況を作ると話が早いということでした。

1,本当に農産物を作れるのか?
2,どこに売るのか?
3,機械はどうするのか?(←それなりの規模の場合)
4,調整場(作業場)はどうするのか?

そこで一番の最短の方法は、
農作物を作って既に売っているという事実を作ってしまえ!
ということでした。

農地も借りれないのに何を言ってるんだ!?と思いましたよね?
農地を借りるのは研修用として研修先に借りてしまうのです。
有機農家や自然栽培の農家さんだとそういったことが結構普通だと思いますが、慣行の農家さんでも全然話は聞いてくれると思います。

やっぱりどこに話にいっても、農業経験と農業としてやっていけるのか?みたいな話は聞かれますので、実は既に作って売っているというのは水戸黄門の印籠(←古くてわからない?)のように最強な要素になりそうです。

農家さんに知り合いなんてという方は、冒頭の記事でつながる方法を書かせてもらっていますので、確認してみてください。

現在の研修先で100㎡くらいを貸してもらっていますが、やるなら10aくらいを用意してあげるよと言って頂いたので、色々と試してだめならお願いしようと思います。

借りやすい農地を狙う

運良く熊谷市で農地を借りれましたが、米に関しては最低100ha、野菜にしてもだいぶ広い面積をやりたいと考えているため、農家証明書を取りに行った時に、もっともっと借りたいという話をしてみたのですが、やはり実績がないので今回借りれた10a以上は全く話が進みませんでした。
それは貸す方にもリスクなので、無理を言ってるのはわかります。

しかし、そのやり取りの中で、耕作放棄地だったらどうでしょうか?という問いかけをしてみたところ、それならばどんどんお願いしたいし、やり始めたらそういう土地がどんどん集まってきますよ、と話をしてもらいました。

さらに、耕作放棄地を耕作すると市町村ごとに違うのかは詳しくわかりませんが、補助金が出るみたいです。
熊谷市は10aで30,000円とのことでした。
じゃあ、どんどん開墾したらそれだけで農業機械が買えそうですね!と思ったのですが、耕作放棄地を通常の慣行農法で農地に戻そうとすると10a当たり30-50万かかるとのことでした。

なので、耕作放棄地を借りる場合は本当に慎重に考えて頂きたいですが、

木が生えてしまって根っこの除去まで考えるとユンボを借りてきてなど色々お金がかかりますが、研修先で実践してる限り、自然栽培ではセイタカアワダチソウやその他の雑草が生い茂っているくらいであれば、逆にハンマーナイフで叩いてある程度地表で刈った草を分解させた後、トラクターなどですき込んであげれば、いきなり良い土にはなりませんが、野菜を植えられる状態になるのでそんなにお金は、、、と思ったのですが、甘いのでしょうか。。

耕作放棄地の見分け方

ところで耕作放棄地といってもなかなか普通の人には見分けがつきませんし、基準もわかりませんね。
そこで質問してみたのですが、全国農地ナビでわかるようになっていました。

ここの検索画面で条件設定をして絞り込みます。
1,耕作したい地域の住所を入力する
2,遊休農地かどうかの欄で「遊休農地(不耕作緑)」
を設定して検索します。
ここで出てくるのが、耕作放棄地という定義になるみたいです。

遊休農地(黄)もそうなのですが、こちらの方が荒れ具合が進んでいるようで、木が生えたりしている場合が多いみたいです。
しかし、おそらくですが見回りをしている地域の農業委員さんの感覚で判断していると思いますので、借りる前には必ず現地を確認をしたほうがいいと思います。
場所によっては不法投棄されていたり、盛り土されている場合もあり、借りてしまったら耕作しないといけないので、注意が必要なポイントです。

また明らかに放棄地だと思う場所でも農地ナビ上では違う場合があります。
その場合は補助金の対象になりませんので、注意が必要です。
どうしても借りて補助金も貰いたい場合は農業委員会事務局に相談してみましょう。

農業機械を揃えてしまう

既成事実を作ってしまうのよく問われる質問の3で出てきた
「農業機械をどうするのか?」という点も逆に行政が貸したくなるポイントに変えることができるようです。

というのも、熊谷市の担当の方にもっと農地を貸してほしいと無理を言っていたときに、農業機械がないからそんなに貸しても耕作できると思えないという判断になってしまうと言われ、こんな方もいたというようなエピソードを聞きました。

借りたい人    
「農地借りたいんだけど?」
農業委員会事務局 
「農業の経験は?」
借りたい人    
「youtubeで勉強した」
農業委員会事務局 
「それだけでは難しいですね、、、」
借りたい人    
「新車の1000万のコンバイン1台とトラクター2台をもう買ってしまったんだ」
農業委員会事務局
「では小さい面積からなら。。。」

といった流れで全く経験なしに農地を借りた人もいるみたいです。
(おそらく上のやりとりだけですんなりとではないと思いますが、)

資産があって、どうせ買うなら高くてもという方は別ですが、いきなり新車でなくてもいいみたいですが、最低限お米ならお米で収穫して出荷できる状態にできる機械が揃えてしまうことで、この人は機械まで揃えてるので、やる気だしできるだろうという判断材料になるみたいです。

お米であれば、
トラクター、田植え機、コンバイン、軽トラ
くらいでしょうか。

自家用で10aくらいであれば、自走式の管理機、田植え機、バインダーなどでもいいと思います。

紙にまとめて熱意を伝える

実際にやってみて、これが意外に重要だと思いました。
というものの、新規就農したくて農業委員会事務局にくる方は結構いるみたいなのですが、具体性が足りないことで、あまり取り合ってもらえず、断念してしまう方が多いみたいです。

紙にまとめる内容ですが、以下くらいが書けるといいのではないかと思います。
・簡単な自己紹介プロフィール
住所や年齢や職歴や家族構成、農家研修の経験
※どこの誰か知らない人には農地どころか何も貸したくないですよね。
※地元で借りる場合は地元出身アピールは結構効くので書いたほうがいいです
・栽培する作物
地域によって大きく変わると思いますが、大分類では、
米麦/露地野菜/施設野菜/果樹
※米麦意外は具体的な栽培作物を書きましょう
※季節で同じ圃場で違う作物を育てたりするスケジュールや連作障害まで加味した内容だとしっかり考えていると捉えてくれると思います
・栽培方法
慣行農法か有機農法なのか、それよりもっと最先端の溶液栽培や垂直栽培などなのか
・目標面積と収量(収益)
各作物でどのくらいの面積を目標としているのか
※私のように馬鹿みたいに大きい面積を話していると取り合ってもらえないかもしれませんが、本気が伝わると将来的に集約しやすい地域選びまで考慮して考えてくれたりします
・販売ルート
販売ルートはどうするかも考えておきましょう
農協に持ち込むか/直売所や道の駅で販売するか/通販するか/移動販売するか etc…
・導入する機械類
ここまではいらないかもしれませんが知ってるアピールにはなると思います
・なぜ農業をやりたいか
農地を貸す側としては、貸した農地での耕作が途中でやめられてしまうのが一番のリスクです。
社会的な意義などをもって農業をやりたいと思って始めたい方もたくさんいると思いますので、その思いをしっかりと書いておくのは結構重要だと思います。
これだけの思いや熱量がある人になら貸してもいいかもと思ってもらうことが大事だと思います。

上の項目を埋めようと思うと、ある程度の経験や知識が必要かと思いますし、調べたりすることによって更に理解が深まったりすることで農業委員会事務局で話をするときも自然と知識が出てきて話が広がったりすることもありメリットはたくさんあると思います。

もし実際に作ってみようと思って、参考に私が作ったものが必要でしたらご連絡頂ければ差し上げます!

まとめ

既定ルート外でと書きましたが、書いた結果逆に王道になったのではないかと思えてきました。
良くも悪くも農地の管理はまだまだ古い体制で管理されています。

しかし、その御蔭で不必要な開発がされず田畑の面積が守られて残っているのだと思います。
しかも、それを各地域で実際に担われている農業委員の方は自分の農作業に加えて地域のために時間や労力を費やされて、それを考えると頭の下がる思いです。

そんな古い体制だからこそ、担当してくれる農業委員会事務局の方やその地域の農業委員の方に貸してもいいだろうと思われるような存在になる必要がありますし、そうなることが近道なんだと思います。

事務局の方と話をしているとちゃんとやってくれる方には本当はどんどん貸したい(農地はどんどん空いているから)んだけど、そんなに簡単には貸せないという板挟みなんだという風にも思えてきました。

なので、少し時間はかかってしまいますが、農業大学校にいけないという場合は、

1,研修先を探して研修する
2,同時に研修先の農地を借りて野菜を作って売ってみる
3,研修先で作業場も相談してみる
4,農業機械を少しづつ揃える
5,上の書類をまとめて計画を立ててみる
6,借りたい農地を農地ナビで眺めておく

などをしておくと1年くらいで農地を借りれるところまでいけるのではないかと思っております。

あくまで自分が農業をやりたい地域で現在進行形で行政とやりとりをして受けた印象を元に書いておりますので、その地域の担当の方や農地の状況で異なるはずですので、こうしたらできるというものを保証するものではありませんので、参考までということでお願いします。


この記事が参加している募集

仕事について話そう

転職体験記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?