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リレーで傘を創る思考。


5月もあと一週間ほどで終わるなんて信じられない今日です。みなさんこんにちは。涼しいのか暑いのかわかりませんが、如何お過ごしでしょうか。


hachi(ママにやさしい暮らし) さんと一緒に、『おはなとはちこ☘』という note でゆっる~いルームシェアをしています。二人で何か楽しいことしよう!と始めた note ですが、7月で一年になります…!いろんなことがありすぎて、あっという間でした笑。今ではリアルなお友達です。毎日楽しくてありがたい限りです。


おはなとはちこ☘では、普段は主に交換日記で会話をしておりますが、サークル活動もしています。
その中に、リレー創作があります。お題に沿って、みんなでリレーして物語を創る!という企画です。ざっくりとした概要は以下です。

①タイトル(名詞に限る)を決める
②何話完結か決める
③書く順番を決める
④書く(サークル内にコメントする)



今回創る作品のタイトルは思い付きで、あみだくじで決めました笑。


こんな感じでゆるく遊んでおります(*'ω'*)


今回は、あみだくじでタイトルが【傘】に決まりましたが、その他の部分は基本的にわたしとはちこで決めています。今回のリレー創作を、先ほどの概要に当てはめると、こんな感じになります。

①タイトル→『傘』
②何話完結か→3話完結とし、2作品創る
③書く順番
 おはなチーム:おはな→メンバーさん→メンバーさん
 はちこチーム:はちこ→メンバーさん→メンバーさん
④本日、第一走者(おはな、はちこ)がアップ→第二走者さん、第三走者さんがゆるりと自分のペースで書く


今回は計6人を2チームに分けて、3話完結で2作品創ってみることにしました。


すみませんちょっと叫んでいいですか?




楽しい!!!




ふぅ。ありがとうございました。


創作って、なんでこんなに楽しいのかな?無限の可能性が広がっているのもさることながら、感性のコラボ、共同創作で唯一無二のものが出来上がる感じが、わたしはとてもスキなのだと分析しております。メンバーさん、いつも巻き込まれてくださってありがとうございます笑。ルールは ”楽しむこと!” なので、上手いとか下手とか全然関係ないんです。今回も、書くのも読むのも楽しんでくれたらいいなー。


期限や文字数などはいつも特に決めていなくて、本当にゆるりと楽しんでいる感じです。おはなとはちこで最初に決めたことですが、お互いの生活が何より優先。楽しめないことはしない。無理しない。ふたりが楽しいと思えることを、細く長く続けていきたいと思います。


ところで。

【傘】というタイトルで小説を書くとしたら?
あなたはどんな書き出しで書きますか?


自由すぎて、想像、妄想が止まらないことと思います笑。
今日は、リレー創作【傘】で、おはなが書いた第一話をこちらにもお裾分けします。わたしの中では、続きからオチまでできていますが、途中で切って第一話として、次の方にバトンをお渡ししています。ここからどんな展開になるのか、まったく想像できないことだけわかっていますので笑、この物語のつづきがとても楽しみです!


それでは、わたしが書いた第一話をお楽しみください。
もしこれでバトンを渡されたら、どんなお話にしますか?


ぜひ続きを想像してみてくださいね。


今日もお読みくださり、ありがとうございました^^ 




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おはなとはちこ☘ 
サークル内企画 リレー創作no.9【傘】
(第一走者:おはな)

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金曜日。

氣づけば、19:53。

次の電車まであと5分。

間に合いそう…






カフェで一仕事終えたユキは、腕時計を確認して席を立った。店を出て、世界を遮断するためのワイヤレスイヤホンを両耳に突っ込みながら、足早に地下街を歩く。



客先での商談を終えたあと、会社へ戻るという上司と別れ直帰するはずのユキだったが、先程までの無意味な商談の後始末をさっさと手放したくなって、駅へとつづく地下街で見つけた、カフェに入った。客先のビルは都心のど真ん中にあり、駅とは地下街で直結だ。そんなところにあるオフィスビルは高級感と異様な清潔感に溢れていて、そんなところにテナントで入っている “お客様” は、とても高飛車で傲慢だった。ただ運が悪かっただけなのだろうし、営業をしていたらよくあることだが、静かに、でも沸々と煮え立っては去来する苛立ちをノートパソコンにぶつけていたら、早くも一時間が経過していた。



なんだよあの担当。事前に送った資料、完全に読んでなかった。最初から聴く氣のないハリボテの作り笑顔。バレバレなんだけど。今日の商談、どうせ負け戦だったならリモートでも良かったんじゃないの。課長もあんな態度だからなめられるのに、下手(したて)に出過ぎなんだよ。フォローにならないなら一人で来たほうがマシだった。しかし、不自然なほどに美しいビルだったな。こんな世の中になる前からあんなにキレイなんだとしたら、ちょっと猟奇的というか病的というか。映画にでも出てきそうな、敵方のアジトの中にある、実はやばい研究所のような、生命を感じない要塞みたいな白さ…ヤ、漂白されたバケモノみたいだった。マスクとかアルコール消毒ももう、うんざりなんだけどな。ビルの入口でも消毒させられて入室前にも消毒させられて、消さなきゃいけない毒になるようなモノなんてもはや、誰も持っていないんじゃないのか。そもそも人間は細菌でできているといっても過言ではないくらいに夥しい数の菌類を保菌しているのに、守ってくれているありがたい菌まで積極的に殺すなんて、どうかしてる。



嫌悪感。疲労感。倦怠感。虚無感。感。感。感。感。感。



名前を付けられるものから付けられないものまで、無限に語ることができそうな種々の “ヤな感じ” を、資料とノートパソコンで限界まで膨らんだバッグに尚も押し込んで、負のオーラを隠せないままヒールをカンカンと鳴らして歩く。洋楽、邦楽問わずロックバンド一筋のユキだが、こんなときに『オトナがみんな悪いんだ!立ち上がれ!俺たち!』みたいなロックを聴くと余計に、逆に、虚しくなって疲れる。だからラジオアプリを立ち上げて、推し配信者の声を聴く。内容は聴いているようで、正直聴いていない。というか申し訳ないけれど今日みたいな日は、入ってこない。



ただその声に、癒やしを求めているだけだ。







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凪いだ水面のような穏やかな心は、一体どこへ行ったのだろう。



心の奥深くに潜るように、改札を通って階段をさらに降り、地下鉄のホームへ向かう。久しくこんな鬱々とした、むしゃくしゃした氣持ちを、しっかり発散できていないんじゃないかな。こんな氣分のとき、今までならどうしていたっけ。トモカの家へ行って飲んで、聴いてもらっていたっけ。もうどれくらい、会っていないんだっけ。ヤだな…忘れちゃった。



推しの声を無視して、『ユキは真面目だな〜』という台詞が、トモカの笑い声とともに再生される。ここまで付き合いが遠のいてしまうと、『ごはんでも食べに行こうよ』ですら言いづらいこのご時世に、メッセージを送るきっかけも掴めない。別にただ、『元氣?』と送ればいいだけなのに、その後に続く言葉はきっと、自分自身がげんなりするような “ヤな感じ” の数々なのだろうと思い至って、そんな自分に “ヤな感じ” になる。微かな風が頬を撫でたかと思うと、耳にかけていたはずの髪は風にさらわれて鼻先で暴れ、電車が間もなく到着することを教えた。耳元で髪を押さえながら、『はぁ…』と溜息をつくと、トモカの笑い声もろとも、眼前を通過する電車が連れ去って、推しの声が戻ってくる。



停止した電車のドアが開く。
数人が、降りてくる。



降りる人とすれ違った刹那、ユキの足元に何かが当たったが、氣にも留めずに重い体を引きずり電車に乗った。ドアの脇に身を寄せもたれて、なんとなく外を見やると、ホームから遠ざかっていく人の中に、雫が滴り落ちるビニール傘を、見た。





ユキはそれを確かに視界に捉え、見ていたはずだが、その光景の意味するところまで、視(み)てはいなかった。





(第二話へつづく)






flag *** hana

今日もありがとうございます♡



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