Hana

翻訳家です。

Hana

翻訳家です。

マガジン

  • 表現すること

  • 花明かり

  • 千住日記

    千住での何気ない日々を綴っています。

  • 心の変容

最近の記事

あなたの指輪を見せて

あなたの顔が見えない文章は、誰の心にも引っかからずに滑り落ちていく。 本心を隠した言葉は、あなたが一番届けたい人に届かない。 「あなたの感性をフルに使って書くこと」 それが昨年12月に参加した「文章てらこや」で教わったことの一つ。 下町情緒が残る千住の町の一角にひっそりと佇む木造アパート。その二階の六畳スペースに響く、ペンの走る音と丸テーブルの軋む音。 私はその日、もう1人の参加女性と共に、 「来年挑戦したいこと、もしくは現在挑戦中のこと」 というテーマで2

    • 春の香り

      外に出たら春の匂いがした! これは絶対梅が咲き始めてる、ああ見たいなぁ、香りが嗅ぎたいなぁ。 スイセン、ハボタン、サザンカ。早春の花と冬の花が入り混じる路地。写真を撮りながら歩いてたら、賑やかな鳥のさえずりが響いてきた。千住本氷川神社からだ。 境内を覗くと梅の木があった。 近寄って確認すると大きな木には沢山の蕾が付いていて、小さな苗木には可愛らしい花が開いていた。 梅の香りを楽しんでいる間にも、次々と境内に人が来て、ガランガランと本坪鈴を鳴らす音と、二度の拍

      • あれ?これドッジボール?

        「今日は神社やお寺で豆まきやってるから、見に行ったら楽しいよ」 午前中、新居の契約書類を持ってきてくれたライターの舟橋さんにそう言われて、ああ、今日は節分だったと思い出した。 テレビで相撲取りや芸能人が豆まきしている映像は見たことあるが、一部の大きな神社仏閣で開催されるものかと思っていた。それが、ごく近所で行われるという。 でも一人で行くのもなぁ。 そう思ってたが、その後なんとなく立ち寄った和菓子屋でも「豆まき」の単語が耳に入った。粟餅を手にレジへ向かうと、「豆ま

        • 河川敷から見上げた赤い月

          丸めたゴザを片手に二人、荒川土手へと急いだ。皆既月食が始まるのは午後8時48分とあったのに、月を見上げると既に左下が欠けている。 一緒に夕飯を食べようと友人を誘い、北千住駅で落ち合ったのは、午後7時前。西口を出ると、不自然な人の群れが目に留まった。 「あ、あの人たちきっと、皆既月食待ちだ!」 facebookで数人の友人がシェアしていた情報を思い出し、そう口にした。 その場に駆け寄り空を見たが、月が見当たらない。もう一度人集りを見渡すと、灰皿が。 そこは喫煙所だった。

        あなたの指輪を見せて

        マガジン

        • 花明かり
          2本
        • 表現すること
          2本
        • 千住日記
          3本
        • 心の変容
          0本