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12歳の私、ありがとう。

2016年の誕生日。
12歳になった私は、20歳の私と家族へ向けた手紙を書いた。

10歳のときにも、20歳の自分へ手紙を書いた。これは学校でみんなやったもの。でも12歳の私は、自分の意思で、8年後の自分へ手紙を書いた。
なぜ12歳なのか。私の中で、12歳や15歳はなんか特別で。その特別な歳だから、手紙を書いた。小学6年生、卒業へのカウントダウンが行われていたあの時期に書いた手紙。なんだか特別でしょ?笑

9枚の手紙を書いて、見えないように濃い色のマスキングテープをぐるぐるに巻き付けて。開封する年月日を書いて、「家族へ」と書いて。「捨てるな!」とも書いて。笑
鍵付きの引き出しに入れた。

家族には秘密で。

2024年の誕生日。

ついにこの日がやってきた。1年前、19歳になったときに「いよいよあと1年だ」と思ってから、もう1年が過ぎたのか。

鍵を開けて、引き出しから手紙の束を出した。8年間入れっぱなしだった手紙たちは、引き出しの中のにおいがした。少し懐かしいにおい。
マスキングテープを慎重に取る。ぐるぐるに巻きすぎて、取るのに苦労した。(ほとんど)破れることなく、手紙は無事だったからよかった。

家族に配る前に、自分宛の手紙を見た。
感想は「こんなんだったっけ?」。家族宛の手紙は、少し内容を覚えていた。でも、自分宛の手紙の内容は覚えていなかった。学校で書いたのではなく、自分で自由に書いていることもあってか、汚い字で変な文章だった。

「他の人にも、手紙、渡した?渡してないなら、早く〜!」と書かれていたので、それに従うように、家族へ手紙を配った。

特に喜んでくれたのは、おばあちゃんだった。
おばあちゃんは目が悪いから、私が手紙を読んだ。すごく嬉しそうに聴いてくれて、手紙を受け取ってくれた。「お守り」と言いながら、大切にしまっていた。
想像以上に喜んでくれて、私も嬉しかった。
12歳の私、ありがとう。

p.s. 自分宛の手紙には、当時の自分の情報が書かれていた。好きな色、好きな漫画、好きな芸能人、好きな本、好きなキャラクター、子供につけたい名前。好きな色と芸能人とキャラクターは、今と同じだ。漫画と本は、懐かしかった。子供につけたい名前とか、考えるの好きだったよなあ。今とは全然違う。笑



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