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詩 『ほどけない形』

満ち足りた寝顔に
ありがとう、と呟く。
我慢させてるね。左の傷はわたしへの罰。

繰り返す、走り出す、灯りは薄暗いまま。

この一日が通り過ぎたら
どんな笑顔を見せようか。
額に手をあてて
丸みのある言葉とタオルケット。
入り込む風を感じながら居心地をととのえよう。

寒くはないかな。
さっきまでの土砂降り。
それだってわたしへの罰なのに
いつもあなたは連動してしまう。
厄介な絆。
わたしたちは繋がりすぎる。

繊維の一本一本を毟り取る。
鼻の頭にしわをよせて
途方もない反復作業。

あなたの爪とわたしの囁きは
お互いを思いやる視線の先にいつもある。
決して解けない几帳面な結び目と
シンプルな愛で形成される。




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