【展覧会】中川 衛 ─ 美しき金工とデザイン
なかなか行く時間が取れないと思っていたところ、休館のはずの水曜日が9/13だけは開館しているとのこと。
手術前に何やってんのとも思いましたが、この美術館なら10時に行けば30分位で観終わるでしょうし、新橋から銀座線で一本。予約時間には余裕で間に合いそうです。この展覧会は予約制でなくなっていたのも幸いしました。
パナソニック出身の方なのですね。大学で工業デザインを専攻され、松下電工でも家電製品のデザインをされていたと聞けば納得です。帰郷されて象嵌の修業をされ、2004年には重要無形文化財「彫金」保持者(人間国宝)に。
象嵌や螺鈿、何か嵌め込んだものも好きです。
そういえばスペインにも象嵌で有名なところがなかったかしら……と思ったらトレドでした。マドリードとバルセロナ(+フィゲラス)だけでも時間が足りず、トレドへは行けなかったので象嵌の記憶がないようです。
展示の冒頭で松下電工でのデザイン画や、そのものでなくてもその頃の製品が展示されていたのは、パナソニックの美術館ならではですね。
漆器のデザインでは、工芸家ならそのまま作っていきそうなところ、工業デザインだとここまで細かく指定するのだな、という図面がありました。
次は、象嵌とは何ぞや、の章。象嵌を学ぶきっかけになったという鐙などが並びます。壁には、使用する金属の種類や象嵌の方法のパネルがありました。「おろし大根」で洗う、という箇所がありビックリ。
きっかけとなった加賀象嵌や師匠の作品に並んで、中川衛さんの作品。
中でも「ナイルの詩」という、ヒエログリフや羽のモチーフなど、エジプトらしさを散りばめた花器にうっとり。
風景のスケッチを金属で象嵌にするとこうなるのか、という変化も面白かったです。デフォルメでもなく、抽象化しすぎているわけでもなく、「なるほど、こうなるのね」でした。
チケットを買う時に、後半に2か所撮影可能な場所がある、と説明を受けました。まずは、他の作家さんたちの作品。
特に気に入ったのはこの2点。
台湾での映像や、工具の展示も興味深かったです。鏨は金工をなさる方だとどの位の種類をお持ちなのでしょうね。
そして、レディ・ガガが採用して知った舘鼻則孝さんのヒールレスシューズ。本来なら踵があるその部分に金属モチーフが!面白いコラボレーションですね。
あれ、撮影できるもう一か所は……?最後にありました。ルオーコレクションの後、出口の手前です。
チラシにも掲載されている孔雀。溜息が出る……より、息が止まるほど。こんな細かい作業をしたら、呼吸を忘れそうです。
これ、香炉ですって。こんなに大きな香炉を置けるお家よ……。
ヒールレスシューズが撮影可能とは、太っ腹です。
ご覧の通り、どうしても映り込みがあるので、孔雀ももう少し近寄りたかったのですがダメでした。
というわけで、孔雀のポストカードはすかさず購入。干支シリーズの猪も可愛かったので。動物のフォルムがどこかユーモラスで愛らしかったです。
閉幕間近ですが、観られて良かったです。
9月15日(金)、16日(土)は夜間開館で20:00まで開館(入館は19:30まで)だそうですので、普段より行きやすいですね。
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この後、無事に手術を終えて帰宅しましたら、美術先輩から
「まだ先だけど、汐留の『コスチュームジュエリー』いかが?これははなえみさん向きだと思った」
とメールが届いていたので、私向き!是非!とお願いしました。
美術先輩(フリーランス)のように、私も平日美術館族になれるかしら。
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