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おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った

ラジオで聴いた時、なんというタイトル!と脳裏に刻まれました。課題図書が、レポートが、忙しかろうがこれは読まないと!

産業カウンセラーの勉強中も、例えば「労働法」と「心理アセスメント」を切替えながら勉強しつつ、合間に軽いエッセイを読む、みたいなことをやっていましたので大丈夫です。結果、大成功。無事にA4で20枚を超える事前課題を終わらせました。本も良い感じに薄めでした。

副題が「世界ことわざ紀行」です。文字通りです。
タイトルの「おばあちゃんは…」はフィンランドの諺。実際はもっと長くて

「やり方はいくらでもある」と、おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った

フィンランドの諺

だそうで、「意外なところに道がある、解決策はひとつではない」という意味とのことですが……布巾がないなら猫で拭くって?おばあちゃんが大胆で笑っちゃいますし、イラストの猫がまんざらでもなさそうなのもまた、ふふっとなります。

この背景には「sisu(シス)」というフィンランドの精神があるそうです。シスといったら私にとってはダークサイドなのですが、フィンランドのシスは困難な状況でも粘り強く進む勇敢さとのことです。ダークサイドのSithの方は、困難な状況だと破壊しそうですね。

「鬼の居ぬ間に洗濯」と同じ意味の諺は、世界では猫と鼠みたいです。
ネパール語では「猫がヴァーラーナシーに行って、ねずみが悪さする」。
猫がいないとねずみが「騒ぐ」のが英語、モンゴル語、「踊る」のがフランス語やイタリア語、台湾にいたってはねずみは「足を組む」だそうで、可愛いですね。

こんな感じで、日本にも同じような諺があったり、「そっち!?」という驚きがあったりします。それもこれも金井さんが、誰か海外へ行くと聞けば「お土産は要らないから面白い諺を見つけてきて」と頼んだり、海外ルーツの人に会うと、にじり寄って「いい諺、ある?」と聞いたりして、こつこつ集めてくださったからです。

月刊誌で連載していたそうですが、ネイティブの人に実際に使うかどうか聞いているので、調べただけではないのが良いところです。辞書には載っているのに「そんな諺、知らない」と言われ続けているものもあるそうですよ。

金井真紀さんといえば、『パリのすてきなおじさん』を読んだことがありました。パリ在住のジャーナリスト、広岡裕児さんと一緒にパリのおじさん達にインタビュー。

日本のおじさんにも素敵な人はいるでしょうけれど、ここに出てくるパリのすてきなおじさん達のこだわりや生き様もなかなかでしたよ。
あと、この本を読んでいると「すてきなおじさん?」「パリのおじさん?」と反応する女性が多かったです。

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