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【詩】涙の街

雲間から覗き始めた
午後の陽が
濡れた街角を映し出す

雨を纏った街路樹が
眩しそうに光っている

行き交う背中の幾つもが
そっと愛しく見えたのは

隠れて流した涙の跡が
照らされ静かに輝いたから

きっと誰もがそうだから

きっと私もそうだから

かざす手を下げ
あたる陽に
身を任せ歩く街
涙に輝きながら歩く街







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