hanauta

hanautaといいます。 詩を書いていきたいと思います。 よろしくお願いします。

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  • 夕暮れ~夜

    夕暮れ~夜 思いにふける

  • 朝 一日の始まり

  • 私 心の内

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    恋模様 儚さ

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【詩】花々

そよ風に心浮かせば 揺れた花々のひと息が 静かに渇きを満たしていく 生き切っている見事さが 香るままに押し寄せる 日々の空虚は誰のせい 花々に尋ねられ 孤独が恥ずかしそうに 浮かんでくる 本当はずっと 背中を押して欲しかった このまま香りを留めたくて 息を吸いながら シャッターを押す

    • 【詩】心の跡が残る街

      心の跡が残る街 笑顔ばかりが浮かぶのは もう思い出になったから 懐かしい切なさは きっと幸せだけが残ったから 悲しみは 今の私作りに使われて そっと強さに変わったはず だから一枚の写真さえ こんなにも愛おしい 戻れないと知っているから 愛おしい

      • 【詩】葉を揺らす

        青空の掛け声に 沸き立つように樹々たちが 零れそうに葉を揺らす 緑の歩道を抜ける頃 心がほぐれたように 鞄が少し軽くなる 頑な心の向きでは 行き先も決まってしまう やわらかな笑顔なら その向こうまで行けるはず もっと自由になるのなら もっと素直になることと 新緑の無垢な息吹が 囁くように葉を揺らす

        • 【詩】坂の向こう

          並ぶビルに囲まれた 小さな通りの下り坂 見慣れた景色を見なくなって 見慣れた自分を見なくなって 過ぎる時間を過ごさずに 見ていたのは明日ばかり 坂の向こうの小さな空は 今日の終わりの見事さを 映して沈む夕陽色 毎日続く今日の日を 重ねることが生きること あかね色に 染まる心に沁みてくる

        【詩】花々

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        • 夕暮れ~夜
          40本
        • 10本
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        • 恋模様
          47本

        記事

          【詩】やさしさ

          開けた窓から 小さな部屋に 青空の息が流れ込む 私の中から もどかしい心を 連れ出していく やさしさに戸惑ってしまうのは やさしさに慣れていないから 送ることも受け取ることも 遠慮するものではないものを いつもどこかで 彷徨っては俯いて やさしさを 真っ直ぐに見つめたい 小さな心が 大きく願う 爽やかな風の中 そんなことを思いながら すこし違った私に戻る

          【詩】やさしさ

          【詩】水槽のある部屋

          時が静まる夜の中 小さな今を刻むのは 片隅にある水槽の音 綺麗に終われなかった一日を 灯りの下で拭いながら 少しのやりきれなさと淋しさを 灯りの下で温めながら 過ぎる時間を聞いている また明日と 笑顔で私に言いうために 今日と明日の間の時間 心の時間 おやすみなさいを言う前に

          【詩】水槽のある部屋

          【詩】涙の街

          雲間から覗き始めた 午後の陽が 濡れた街角を映し出す 雨を纏った街路樹が 眩しそうに光っている 行き交う背中の幾つもが そっと愛しく見えたのは 隠れて流した涙の跡が 照らされ静かに輝いたから きっと誰もがそうだから きっと私もそうだから かざす手を下げ あたる陽に 身を任せ歩く街 涙に輝きながら歩く街

          【詩】涙の街

          【詩】いつかの傘

          咲く花に雫が跳ねて 冷たい雨が 今日は春を鎮めている あなたに貰った傘はもう 時の狭間に消え落ちて 心の中では開かない 濡れてさらに色を増す 花のように 刻んだ想いがしっとりと いつか私を潤すはずと 水色だった傘の模様が 今はただ懐かしい

          【詩】いつかの傘

          【詩】月夜の帰り道

          私を連れた帰り道 ビルの角から覗くやさしさに 曲がれば夜空が覆われている 見上げれば見つめられ 見通すように輝く姿 月に読まれた心音は 静かに私を刻みだし 月を浴びた心の内は ゆっくりと息をする 月明りに見つけられ 隠れていた 本当の私が顔を出す 少し自由になれた帰り道

          【詩】月夜の帰り道

          【詩】天窓

          少し曇った春風が 吹き抜けて 肌寒く 心寒く 小さな天窓の 囁くような暖かさ あなたが 照らしていたものは 心の奥の一人部屋 暗闇の今 溢れ出す淋しさの 行きつく先の涙さえ 拭う指はもういない 傍にいてと言えないままに 言葉だけが 心の奥で震えている

          【詩】天窓

          【詩】明日の朝

          降るように舞った花びらが いつしか何処かへ去るように 刻んだはずの足跡が 儚く消えていくようで 振り向いては おぼろげな足元が寂しがる 心弱いこんな日も 何もなかったこんな日も 移ろう時は手を離さない 必ず私の傍にいる そしてそっと 明日へと連れて行く また私が歩けるようにと 窓の外には朝がある

          【詩】明日の朝

          【詩】葉桜

          さらさらと過ぎる春風に 流される花びらの 儚さに立ち止まる 見上げれば青空に 背伸びしている葉桜が もう次の季節を歩いている 慌ただしさに埋もれたままに 過ぎるより 樹々たちに 花々たちに 連れられて先へ行く そんな心地でありたいと 若葉の緑に笑いかける

          【詩】葉桜

          【詩】ほっと一息

          味気ない窓枠の 向こう側に会いたくて 狭い空気を逃がすように 窓を開ける はりつめてばかりの毎日は 気持ちまでも早足で 時間に躓きそうになる 急いでしまったら 春を見逃してしまうから 走ってしまったら 私を見逃してしまうから 重なり合い揺れている 陽射しを少し飲み込んで ほっとするのも 私の仕事

          【詩】ほっと一息

          【詩】お花見

          見上げれば 青空を隠すほどに桜色 時さえも隠すほどに桜色 振りほどけない毎日を またやってくる明日の日を 全部溶かして 心を私に返してくれる 止まった時間の自由の中で 心が桜と戯れる 花びら一枚手に取って 今年の桜を心に刻む

          【詩】お花見

          【詩】散るように

          雨の声が広がっていく 春が濡れ 眺める心に雫が響く 舞う花びらを 追えないように 零れていく 気持ちはもう戻らない 一つ二つと手にしては 儚さがだけが美しい 過ぎて行く恋心 せめて涙が飾るなら 雨に紛れて泣けばいい 散るように泣けばいい

          【詩】散るように

          【詩】履き慣れた靴

          ガラス張りのビル達が 春の光を反射して 眩しさを広めている 真新しい 四月の賑わいが溢れている 古ぼけてしまった初々しさに 自身で少し苦笑い 慣れてしまった毎日を 自身でそっと顧みる 失くしたものを追うよりも 得たものが一つでもあるのなら 時の流れも悪くないと 履き慣れた靴を見る

          【詩】履き慣れた靴