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送球漂流記 vol.2

耕して築く

総務省の統計では、2019年時点で日本の15歳未満人口は1,533万人と過去38年連続で減少しているそうです。(https://resemom.jp/article/2019/05/07/50379.html

単純に、子どもの数が減少していけば少年少女のスポーツ現場も変容します。特に地方にいて思うことは、各競技のスポーツ現場において子どもの取り合いになっているということ。

地方では、そもそも子どもたちが選択できる競技の幅も都市部に比べて多くありません。越境という選択が困難ではない今、そのスポーツのために越境する者もいますが、とは言ってもさほど多くないのが現状です。

野球は野球で、サッカーはサッカーで、バスケはバスケで、特にチームスポーツは人数の確保が重要なので、地方においてはそれぞれが取り合いです。そこに新しい競技が入り込む余地がなかなかありません。

これまで「普及」ということが課題だと思っていました。しかしながら「普及」とは、あくまでも土壌がありきで課題となることなのではないでしょうか。土壌が整っていれば、1人が2人となり、2人が3人と数珠つなぎになります。反対に、土壌がなければ途中で途絶えてしまい、最初の1を作り出さなければならない。

つまり、課題はまず「耕して築く」です。

「普及」という構築を為していくためにも、まず「耕築」をしなければならない。この0から1を生み出す第一歩が最も困難であり、スポーツにおいては多くの先人たちが夢破れてきたところかもしれません。

ハンドボールは、ヨーロッパでは超人気スポーツ。もともと身体能力の高い人たちのためのスポーツだったそうです。「走る」「跳ぶ」「投げる」など、スポーツには必須な運動動作がたくさん盛り込まれている競技です。ゆえに難しい。

しかし、ゆえに魅力的でもあります。いずれ野球やサッカー、バスケなど他競技に専門的に移行する子どもたちにとっても、ハンドボールという競技経験は相当なアドバンテージになるのではないでしょうか。

より多様な視点から子どもたちのスポーツ経験を支えてあげる。

そのような視座が必要なのかもしれません。「普及」ではなく「耕築」ですから、まずは少しずつ耕していくことに10年、いや20年、もっと50年かかるかもしれません。そのあとに「普及」ですから、もし新潟県にハンドボールが広く知れ渡るとすれば、僕はこの世にはいません。

今後、コーチという立場から上記のことを考えていく立場にシフトしていきます。

(参考)森永さんのツイッターhttps://twitter.com/handkoju828/status/1296821206042066944

「送球漂流記」vol.1
https://note.com/handb0z_teofit/n/ne474fc3709fb

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