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【メンバーシップ】ピグマリオン効果のウソ・ホント

先日、給食の片づけをしていたときに、

「あの先生のとき、給食厳しくなかった?」
「そうそう、地獄だった。」

みたいな会話が聞こえてきました。

そのままの流れで、

「じゃあさ、今までで一番厳しかった先生ってだれ?」

みたいな話に流れたので、「おいおい、プレッシャーかかるからそういう話はやめて。」と半分冗談、半分本気で止めました。

子どもたちは、素直でありときに残酷。「今までの先生は…。」なんて話題を平気でぶっこんできます。

若手の頃は、かなり気にしていたのですが、ベテランカテゴリに入った今は、気になったとしても受け流せるようになりました。
#気になるけども

そんな話と、kkさんが話題としていた「評価」の話がつながったので、本日は、「ピグマリオン効果」を話題としてみたいと思います。

▼「ピグマリオン効果」って?

余談ですが、「ピグマリオン効果」って名前、めちゃくちゃ憶えやすくないですか?

もはや遠い過去の記憶となりましたが、教員採用試験の勉強をして以来、「〇〇効果」と聞くと、必ず思い浮かぶものの1つとなりました。

「教師期待効果」という呼び方もありますが、みなさんもどこかで聞いたことがあるでしょう。

まずは、「ピグマリオン効果」について簡単に共有させてください。

「ピグマリオン効果」の語源は、ギリシア神話に出てくるピュグマリオーンという王様。王様は、現実の女性に失望し、自分の理想とする女性の石像を掘ったのです。
#石像女性の名前はガラテア

王様は、次第にその石像に入れ込むようになり、服を掘ってあげたり、食事の準備をしたり、もちろん話しかけたりする内に、「人間にならないかなぁ。」と思い始める。

そんな一方通行の愛は、王様を次第に衰弱させていきます。そんな姿を哀れに思った愛の神、アフロディーテが彫像に命を吹き込み、王様はめでたく結構するという話。

そんな神話から、「教師が子どもたちに期待をかけることで子どもたちの能力は伸びていく」という効果の名前となったのです。

1964年にアメリカの心理学者であるロバート・ローゼンタールさんが実験をして効果を示すと、メディアの力に押されて、瞬く間に広がっていきました。

ローゼンタールさんがどんな実験をしたのかもさらっと書いておきます。

ラットを2種類のグループに分け、学生に、「こっちは賢いラットで、こっちは鈍いラットだよ。」とだけ伝えてお世話をさせたのです。

そのラットを迷路課題にチャレンジさせたところ、もともと「同じ能力」だったのにも関わらず、

「『賢い』と伝えられたラットの方が『鈍い』と伝えられたラットよりも圧倒的な成果を出した。」

というのです。

びっくり仰天したローゼンタールさんは、「もしかしたら、これって人間も同じなのでは…」と考えたのでした。

そんな好奇心にのっかってきた校長先生がいたことで、小学生を対象にした大実験が行われたのです。

ランダムに選ばれた子どもだとは知らない教師に、「この子はめっちゃすごい能力をもっているから、これからますます伸びていくよ!」と伝えました。

その結果、ランダムであったのにも関わらず、「選ばれた子どもたちの成績が上がっただけでなく2年間も効果が継続した」というのですから驚きですよね。

「だったら、教師たるもの全ての子どもたちに期待をかける必要があるのでは?」という結論に向かいそうですが、この効果のカラクリは次章に書いて行きたいと思います。

AIが描いたピュグマリオーン王とガラテア

▼「ピグマリオン効果」のウソ・ホント

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