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【読書】多様性と生きづらさ〜正欲

私の読書記録の一部

私は、上記のよう読んだ本は全てノートに感想文を書いている。感想文の長さは特に決めておらず、書きたいだけ書いている。

特に長い感想文を書いていたのが、昨年映画化もされた「正欲」だ。この本の感想文をnoteにも記しておきたい。

多様性に組み込まれない"多様性"

登場人物たちは、「水を見て性的に興奮する」という特殊性癖をもっている。

そんなものあり得ない、といってしまえばそこまでだが、この1点を抱えているがために、様々なものを諦めてきた登場人物たち。

「多様性を認めよう」という風潮は、昭和、平成、令和を経て、益々高まってきた。

彼らの性欲は人々の指す多様性には組み込まれていない。
そんな多様性を認める時代でも、取り残され、その枠組みからは外されてしまう価値観があるということに気付かされてしまった。

皆何かしら生きづらさを抱えている

また、本書は人々の生きづらさも捉えている。女子大学生が、恋愛経験のなさと容姿にコンプレックスを抱き、必要以上に"恋愛"や"結婚"というワードに敏感になり、不自由なく恋愛できてそうな人間を決めつけ卑屈になっている。

私は、彼女に最も共感した。客観的に見ると大したことじゃない、と思えるのに、自分のコンプレックスが肥大化しすぎてそれに囚われすぎているのだ。

私も、恋人いない歴=年齢がコンプレックスで、年々益々大きくなり、囚われすぎた時期があった。

「水を見て性的に興奮する人」が「普通の人」だと思う彼女は、恋愛に囚われ生きづらさを抱えている。

普通って、なんだろう。

誰にとっても、普通なんてないのではないか。

社会や他人ではなく、自分次第

本書のメッセージは、多様性の時代だから、まだまだ知らない価値観があって、それを受け入れていきましょう、ではない。

皆何かしら抱えて生きづらさを感じているのだ、決して自分だけが生きづらさを抱えているのだと卑屈になってはいけない

想像力を持ち、自分だけじゃないと思うことが大切なのだと思った。

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