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卑屈さは人をより不幸に(読書感想文:このミス大賞作品)

通勤時間が長いもので、毎日通勤の電車では読書を楽しんでいます。週明け2日で読み終えたのが、「レモンと殺人鬼」です。2023第21回このミステリーがすごい!の大賞作品です。
※ネタバレはなし。
主人公の性格には触れています。

この物語のテーマは、
「虐げる側と虐げられる側」であると読み取りました。本のタイトル通り、小説内では殺人事件がおきます。

 殺人事件の被害者であり続ける主人公は、非常に不幸です。給与も少なく、友人も恋人もいない。腹を割って話せるのは、唯一の肉親の妹だけ。
「歯並び」を非常にコンプレックスに感じ、常にマスクを外さない。ストローのついたドリンクしか頼まず、マスクの下からストローを入れて飲むまでに、口元を見られることに抵抗を感じる。
(余談だが、本の帯が敢えて表紙の主人公の口を隠している表紙は、非常に奥深いデザインである。)

 このような主人公から感じるのは、卑屈さである。卑屈さから、他人と自分は違う、私は不幸なのだと、自ら不幸の星に居続けようとしている。
正直、読み進めても、主人公からは卑屈さと自信のなさしか感じ取れず、イライラしてしまった。

 この物語は、二転三転四転するストーリー展開が面白いポイントなのだが、私は、卑屈さで人はより不幸になる、ということを非常に感じたストーリーだった。

明るく、希望を持ち、
自分をより幸せな星に連れていきたいと思った。

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