4月6日

 妹が、仕事を辞める前に送ってくれた御守りが届く。自分が就職祈願に行って、すぐに決まったことをご利益と感じ、燻っている姉のために…と、わざわざ赴いて買って来てくれたのだ。絵馬を書こうとしたら間違えて買ったことに気付き、結局自分の恋愛成就について書いて帰った…というつまらないオチ付きではあったが、御守り自体は有り難い。お礼のメールを送ると、電話がかかって来て苛々した。
「結局私はこんなザマやから、ご利益とかもどうかと思うけど…。」
「変なステッカーも貰ったから入れたけど、いらんかったら捨てれば?」
「いらん」なんて一言も言っていない。神様を祀っているところから貰った物を、ありがたいとは思っても、捨てるなんて発想、あるはずがないではないか。それは彼女も同じはずなのである。落ち込んだらいつもこんな調子になる。喧嘩を売って、キレさせたいのだろうが、そうはいかない。
 嫌なことがあるといつも人のせい。結論の半分は確実に自分のせいなのに、今回は神様のせいにしている。前向きに仕事を辞めたはずではなかったのか?と、話の風向きでそう捉えていたが、時間が経つにつれ、自らの努力と、それに報いない相手の出方に腹を立てた挙句、自己否定に陥って極端なネガティブ思考に沈んでいく。単純すぎて救いようがない。
「私は一回あかんかっても、もっと良いとこで働くって決めてるから!その気持ちだけは揺るぎない!」
 そうなのだ。私は前向きに離職した。ちゃんと生きて行きたいから、それを実現するために別に仕事を探すことを決めたのだ。まるで影も形も無く、実際、いつ、新しい仕事に出合って、新しい生活をスタートさせるのか、予想すらつかないのに、何故かその想いだけは揺るぎないのである。
 昨日のような大喧嘩にまでは至らなかったが、一通り燃え盛って電話を切る。
 遅くなった夕方の散歩に犬と出掛け、例の如く『帰らない!』アピールの連続で、家に入れた頃には7時を回っていた。
 夕食の準備をし、食べて片付けた後、ピアノで歌ってストレス発散!の予定が、小池都知事の緊急記者会見を見ているうちに、親父が帰宅。リビングを奪われるとピアノが弾けない(泣)。ストレスを溜めたままで自室へ引き下がる。
 しまった!明後日の面接に必要な履歴書、未だ作っていなかった!
 今夜も素直に寝られそうにない。

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