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覇王樹の歴史

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記事一覧

覇王樹の歴史 その1

覇王樹の歴史 その1

創刊者 橋田 東聲 Hashida Tousei

佐田 毅 著『橋田東聲の研究』(平成13年7月3日刊)

橋田東聲の歌集『地懐』
東聲は、略歴にも記したように、翻訳を初め、農政学や経済学の著書、『万葉集』に関する著作や正岡子規・長塚節などの様々な人物についての書籍を出版している。そのようななかで、『地懐』は、東聲が生前に出した唯一の歌集である。大正5年から大正9年までの総歌数692首を収めてい

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覇王樹の歴史 その2

覇王樹の歴史 その2

臼井 大翼 Usui Taiyoku

臼井大翼は、東聲と共に「覇王樹」を創刊しました。東聲亡き後、第二代目の主宰になりました。大翼の晩年は、戦時下の雑誌の統廃合・復刊など、受難の時代でした。大翼は、最後まで、「覇王樹」を懸命に守りました。

『臼井大翼歌集』(昭和45年8月)は、覇王樹五十周年事業の一環として、松井如流・小林周義等を中心に刊行される。第一歌集『私燭』も収録。それ以後の歌も出来るだ

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覇王樹の歴史 その3

覇王樹の歴史 その3

松井 如流 Matsui Joryu

松井如流は、臼井大翼亡き後の受難時代を乗り切り、「覇王樹」の主宰となりました。書家として第一線を歩むとともに、「覇王樹」をまとめて行きました。本誌の題字は如流の書です。

現代の三筆と言われた如流は、書家として、歌人として、その功績において著しいものがあった。松井如流が編集発行人となった「覇王樹」34巻6号(昭和29年)。

松井如流の歌

少年われ寂しく育

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覇王樹の歴史 その4

覇王樹の歴史 その4

小林 周義 kobayashi Syugi

小林周義は、臼井大翼に入門しました。松井如流の片腕として、編集の実務をこなしていました。松井如流亡き後、「覇王樹」の代表となりました。

「覇王樹」創刊70周年記念号(平成2年) 編集人 小林周義。

小林周義の歌

朝の月ゆふべの光失ひて一巡の世の影を貰へり

世の外の炬燵番なるうたた寝の夢のすべてが灰色になりき

散策の足にまつわる町雀手にする杖

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覇王樹の歴史 その5

覇王樹の歴史 その5

佐田 毅 Sada Takeshi佐田 毅は、松井如流に入門しました。小林周義が病気のため、「覇王樹」が運営委委員会制となり、平成8年12月より運営委員会代表・編集発行人となりました。平成27年、運営委委員も高齢となったため運営委員会制を廃し、覇王樹代表・発行人となりました。

「覇王樹」創刊90周年記念号(平成22年) 編集人 佐田 毅。

佐田毅の歌

青春は砂の中にて育つらし陽を吸ひながら砂

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