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怒りっぽくなったのは、認知症のせい?

「認知症だから」を一旦禁句にします。

三好春樹さんを講師にお招きした「認知症ケア研究会」
いきやすくなる彩kaiカフェ蓮田/ご縁をつなぐkaigoカフェ
に参加しました。

認知症は、進行を遅らせることはできても、治ることはありません。
認知症には中核症状と周辺症状(BPSD)があります。
周辺症状は人によってさまざまなカタチで現れます。

認知症を”勉強する”と必ずこのことを学びます。

純粋な介護職は、認知症のある人に現れる”変化”を「認知症の周辺症状」と意味づけて、しかたないと考えます。

三好さんは言います。

「問題行動をすべて認知症の周辺症状と捉えると思考停止に陥る。思考停止せず問題行動(と思われるもの)そのものを受け容れると、認知症とはちがう可能性が見えてくる。」

その最たるものが、便秘です。
「便秘で苦しい」とうまく言葉で伝えられない人は、便秘から生じる不快な感覚を言葉にする代わりに、怒りっぽくなったり、食欲がなくなったりすることがあります。

このとき怒りっぽくなったこと、食欲が落ちたことを「認知症の周辺症状」と片付けると、そこで思考停止し、介護は無力化します。

そこで、怒りっぽくなった原因は「便秘かもしれない」と考え、(下剤などを使わず)生理学的にアプローチし、便秘が解消することで、本人の不快が快に変わり、機嫌が治ることがあります。

「認知症だから」を一旦脇に置いて、その人の様子と向き合うと、ケアの幅はグンと広がります。

人間が生きることについては、よく分からないことがたくさんあります。
数字やデータにすることで、我々は「生きること」の全容を理解したかのような錯覚を持ちます。しかしそれは錯覚であり、傲慢です。

介護職は、目の前の人を五感で注意深く観察し、相手との関係性を変化させながら、お互いにとって快となる方法を手繰り寄せます。

絶対的な正解のない介護の世界。
決して方程式では解けない世界。

答えがわかっている問題を繰り返し解くのは苦行です。
原則はあるけど、答えが無数にあるからこそ、介護はおもしろい。

もっともっと介護を知りたくなりました。

めでたしめでたし

立崎直樹

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