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読書レポ| Chatter(チャッター)

「”いま、ここ”を生きる」という言葉に、ハッとする。
なぜハッとするのか。
それは、僕たちの思考が無意識のうちに”いま、ここ”を離れ、過去の出来事や、想像上のシナリオ、他人が自分に対しどんな感情を持っているかなど、内なる声に占拠されているからである。

本書では、このように頭の中で逡巡する内なる声をチャッターと呼ぶ。

Chatter(チャッター): 「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法 
イーサン・クロス著

内なる声は、希望や勇気、心地よい感情を与えることもあれば、不安や恐れ、怒りといったネガティブな感情を想起させる場合もある。

チャッターによる行動への影響はけして小さくない。
科学的とはいえない不安や恐れ、怒りから、ときに不合理な行動を起こすのが人間だ。

この生きづらさをうむチャッターをいかにコントロールするか、本の中では26の具体的な方法を紹介している。

自分との対話がネガティブなチャッターを強化するという話は印象的だった。
たとえば、うまくいかなかったことを思い出し、“私はダメな人間だ”“次もきっとうまくいかない”というチャッターが出てきたとき、自分の内面に向き合うと、その意識がより強化され、自己否定や失敗イメージが強くなってしまう。

この場合の対策は「自分と距離をおき、客観視すること」
具体的には、“私“を“あなた”に置き換えることで、瞬時に視点を変える手法がある。

先の例の「私はダメな人間だ。次もきっとうまくいかない」を「あなた」に変える。
すると、おそらく“たなたはダメな人間だ”とは言わずに、こう言うだろう。
「あなたは失敗した。でも人間としては素晴らしい。次はきっとうまくいく」

こうして内なる声をコントロールするのだ。

マネジャーは孤独だとよく言われる。
実際、立場的に孤独を感じることも多い。
孤独を感じている時には、たくさんのチャッターに苛まれる

そんなときには、この本を思い出して、「今のこの負の感情はチャッターが生み出しているのではないか」と考えてみたい。
そして、この本に載っているいくつかの方法を試し、チャッターをコントロールできる術を身につけたい。


めでたしめでたし

立崎直樹

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