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社員の評価だけは、自分の目と耳をフル活用する

月はまんまる。
小学生でも知っている常識です。

どうして月が球体だと知っているのでしょう?

僕たちは、絵本や教科書、最近ならばインターネットを見たり、親や教師から教わったりして知りました。

実際に、月の裏側も丸くなっているのを僕は見たことはありません。
でも、球体だと”知っている”。
なぜなら衛星写真もあるし、なにより「みんながそう言ってるから」

情報には、自分が直接見聞きした「一次情報」と、他人からの伝聞等によってしる「二次情報」があります。
”月はまんまる”も、二次情報です。

マネジャーは二次情報で判断している

マネジメントの目的は、人を介してチームの目的目標を達成することです。
マネジャーは社員の仕事をすぐそばでいつも見ているわけではありません。チームにとって必要な判断の多くは、社員からの二次情報をもとに行います。

他人を介して入ってくる二次情報は、客観的な事実ではなく、他人の思考や感情のフィルターを通過した情報です。
SNSを見ればわかるように、写真でさえも事実を”盛る”ことができるのです。

だからマネジャーは、なるべく正確な情報が各方面から集まるように日常的にメンテナンスをし、集まった二次情報を整理し様々な角度から検証したり、選別したりしながら、事実を見極めて判断材料にします。

社員の評価だけは、かならず自分の目と耳で

マネジャーが扱う情報のうち、社会や地域の動向や事業環境、さらには顧客に関する情報(介護施設であれば利用者情報)などは、二次情報を中心とせざるを得ません。
この部分を「すべて自分で直接確かめなければ気が済まない」とこだわっていたら、判断が遅れるばかりか、情報量が不足し、複眼的な視点が欠けることから、かえって誤った判断をする可能性が高まります。

ただし、社員の評価のための情報だけは、必ず自分で直接見聞きして仕入れています。

マネジャーのもとには「〇〇さんが手を抜いていた」だの「〇〇リーダーは、スタッフから信頼されていない」といった情報がひっきりなしに入っています。特に頼んだわけでもないのに。

それらの情報が全く無駄だとは言いません。
でも鵜呑みにもしません。
僕の場合、これらの情報が入ったら、何気なく様子を見に行きます。ただ見るのではなく観察をします。この際に、事前に聞いた情報をいかに排除し、フラットな状態で観察できるかがポイントです。

前情報を排除して人を観るには

マネジャーとて人間ですから、「スタッフから信頼されていない」という情報が意識にある状態でリーダーを見れば、「信頼を欠く行動」ばかりが目についてしまいます。

では、そのフィルターをどのように外してフラットな状態に近づけるか。
僕が実践しているのは「逆のイメージをもって観る」です。
本当は何のイメージも持たずに観られればベストなのですが、前述のとおり事前情報を意識から完全に排除するのはよほどの修行を積まなければ難しい。
だから逆のイメージを意識することで、見方を中和させています。

たとえば、「〇〇リーダーはスタッフから信頼されていない」という情報を耳にした場合、「〇〇リーダーはスタッフからの信頼を得ようとしている」という観点で観察します。
すると、信頼を得ようとしている行動が目につきやすくなります。
それでも信頼を損なうような言動が目につけば、そのときにはじめて「〇〇リーダーはスタッフとの信頼関係が構築できていない」と判断します。

社員の評価は、仕事の割り振りやチームの成果だけでなく、その人の人生にまで影響を及ぼすことがある重要な仕事です。
これだけは他人任せにして二次情報だけで判断してはいけない、と固く誓っています。


めでたしめでたし

立崎直樹



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