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社員に向けて、温度感のある文章を書くには

今回は通常の業務連絡を、コミュニケーション機会に変える文章の書き方についてお話しします。

あなたは社員に対して発信する文章・メッセージに、どれだけの想いをのせていますか?

マネジャーが抱える問題に「社員とのコミュニケーション不足」という回答は必ず上位にあがります。
そのわりに、1回1回のコミュニケーションをおざなりにしているマネジャーが多い印象を僕はもっています。

実はマネジャーが、社員に対して連絡や通達をする機会は多々あります。
それらを「ただの業務連絡」にしていませんか?
業務連絡であっても、マネジャーから発信する以上、「あなたのことば」なのです。それはつまり「あなたからのコミュニケーション」に他なりません。

たとえば、シフトの希望休を募る文章を発信するとします。

 お疲れ様です。
 6月分の希望休は、5月15日までに提出してください。
 よろしくお願いします。

ビジネス文書としては、要点を押さえてシンプルに書けているので十分です。
でも、どこか事務的で冷たく感じますよね。
書き換えてみましょう。

 あっという間に5月。早いものですね。
 6月分の希望休は5月15日までに提出をお願いします。
 皆さんの希望に沿いたいので、期限内の提出に、ご協力をお願いします。

どうですか?
少し書き換えるだけで、“わたし”の文章になりますよね。
最初の文章は「誰でも書ける文章」です。
書き換え後は「わたしだから書ける文章」になりました。

「わたしだから書ける文章」には、書いた人の体温が乗ります。
では、どうしたら「わたしだから書ける文章」になるのでしょう。

ひとつは「主観を入れる」ことです。
ビジネス文書では、主観を入れないことが正しいとされています。だからただの業務連絡なら「主観を入れない」が正しい。

でも、あなたが発信する文章の意味を、業務連絡(ビジネス文書)から、社員とのコミュニケーション(お手紙)に変換したらどうでしょうか。

感情や主観のないコミュニケーション(お手紙)って怖いですよね?
(例・トラブルがある両者が交わす、裁判寸前のお手紙)
コミュニケーションには、必ず感情や主観が入っています。

もうひとつは「想いをもつ」ことです。

文章に主観を入れるためには、あなた自身が読み手に対してなんらかの思いや感情を持たなければなりません。
ライティングのプロでもない限り、なにも思ってない人に、想いを込めたように文章を書くことはできません。
温度感を盛り込むテクニックもありますが、テクニックに溺れず、まずは誠実に想いをもつことから始めてほしいと思います。

「わたしだから書ける」体温を感じる文章を書くには、まず読み手に対して想いをもち、その想いを届けることばをつむぎます。

慣れないうちは、情緒たっぷりのポエムのような文章になって、逆に伝えたい連絡事項が伝わらないという事故が発生しますが、それも練習です。繰り返し書いているうちに、ちょうど良い主観の量をつかめます。

業務連絡も、貴重なコミュニケーション機会です。
決して無駄にせず、あなたの想いを届けてください。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

立崎直樹

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