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私が出来上がるまで(2日間の初彼氏)31

いつも大好きなI先輩と一緒に帰っていたのですが、N先輩の彼女になったのでその次の日からN先輩が一緒に帰ろうと誘ってくるのです。
なんだか、自由を奪われた気持ちにもなったのですが、彼氏と彼女だから他の男子と帰るのはいけないこととも思いました。
何度目だったか覚えていないのですが、おそらくこの日か次の日くらいだったと思います。
私としては付き合う人を自分で決められないと言うのは理不尽なことでした。
これも夫婦やカップルは異性と2人でいるのは浮気に間違われると言う固定概念からだとは思います。

初めて2人で一緒に帰ることになり、話をしているうちに何故かN先輩の住んでいる家まで歩いていました。
途中小雨が降ったかと思います。
雨宿りに建物の屋根の下に入り、ここでも色々話をしました。
どれくらい時間が経ったでしょう。
学校から2〜3時間は話していたと思います。

お互いに知らないことばかりなので、お互いのことを話したと思います。
けど、私はときめかなかったのです。
話をしていてI先輩と知らず知らずのうちに比べていたのです。
I先輩はとても大人な考えの人。
N先輩は子供でした。
頼りなく感じました。
改めて、I先輩が好きだと確信しました。

この雨宿りの時、N先輩の目が変わりました。
男性特有の性的な欲を出した時の目です。
それを16才の私はすぐに感じとりました。
私はこの時ももちろん男性経験はありません。
手を繋ぐことすらしたことがないのです。
けれど何故か幼い頃からこの目を感じ取る力がありました。
とても怖いのです。
私を動物のように見ているように感じます。
I先輩は絶対この目を私にしません。
安全な人です。
けれど、N先輩は危険です。
ゾッとしました。
これで一気に気持ちが固まったのです。
『N先輩のことは好きになれない。』

この場は適当に誤魔化し、家に帰らないとと言って別れて一人で帰りました。
無理やりの強行に及ばなかったことは助かったし、この先輩にも感謝しています。
もし無理やりに初キスでも奪われていたら、多分トラウマになったかもしれません。
次の日、お別れを言いました。
たった二日間だけの彼氏彼女でした。

N先輩のことがあり、I先輩とも一緒に帰ることもなくなり、私はI先輩と距離ができたことの方がショックでならなかったのです。

以前から私は転校することを考えていたので、モヤモヤの人間関係のままこの学校を去ることになりました。
転校を考えた理由は、この学校には中学にはいなかった不良が多く、授業も全然身が入らないのです。
出来れば大学へ進学したいと思っていたので、この環境では進学は無理だと感じていました。
塾など行かせてくれるはずがないので、授業で学習していく必要があります。
私の目標は高卒ではなかったのです。
母は行かせるつもりは全くないのですが、どうにかしていく方法を考えていました。

転校先は私立の女子校です。
公立の共学とは全く違いました。

ここには制服があります。
私立なので費用がかかります。
うちは母子家庭とはいえ平均年収は超えています。
援助などは受けられません。
母から出してもらうしかないのです。
色々と調べて奨学金を借りることにしました。
私が社会に出たら返すのです。
しかし、全額は出ません。
なので、半分は母から出してもらわないといけないので、何度も何度もお願いをしました。

新しい学校は電車通学なので、交通費もかかります。
母にはかなり文句を言われ続けました。
夏休みにはアルバイトをして少しでも昼食代やら交通費の足しやら自分のお小遣いを作りました。

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