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【詩】夜の湖

映らない。
僕の姿はなにも映らない。
曇った夜に見た湖は、なにも透き通ってなんかいなくて、それは、津波のように暗く淀んでいて、けれど、それでも湖の名残であるみたいに、水面は緩やかに凪いでいた。
自分の存在を確かめられなくなったら、簡単に死んだような気分になれるから、
僕は、夜の湖で、生きたくないけれど、死にたくもないまま、観念的な自殺をする。
夜景と認められないこと、かわいそうって言える人になりたかった。夜の湖、きっと、僕とどこまでも似ていて、それでいて、とてつもなく、つまらなかった。

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