見出し画像

映画 「花椒(ホアジャオ)の味」を観て ― 香港の庶民の生活の一面 ―

1.   初めに


 往年の映画ファンであれば、香港映画と聞くと何を思い出すでしょうか。私はすぐにブルースリーのドラゴン・シリーズやジャッキーチェーンのカンフー映画を思い浮かべます。しかし、この映画はそんなアクション映画とは対極の映画で、3姉妹を取り巻く情感に満ちたホームドラマです。
 

2.   この映画について


脚本・監督はヘイワード・マック(Heiward MAK/麥曦茵)です。
主な出演者は次の通りです。
サミー・チェン(Sammi CHENG/鄭秀文):ハー・ユーシュー(夏如樹)役
メーガン・ライ(Megan LAI/賴雅姸):オウヤン・ルージー(欧陽如枝[知])役
リー・シャオフォン(LI Xiaofeng/李暁峰):シア・ルーグオ(夏如果)役
ケニー・ビー(Kenny BEE/鍾鎮涛):ハー・リョン(夏亮)役

  注:上記は公式HP https://fagara.musashino-k.jp/ からの引用です。

3.   内容


 父の急死をきっかけとして、それまでお互いにその存在を知ることの無かった3姉妹が、葬儀の場で会うという設定から、物語が展開する映画です。

  春節の祭りなのでしょうか、龍舞のパレードの場面から映画は始まります。旅行代理店で働いているハー・ユーシュー(夏如樹)に「父が倒れた」との連絡が入りました。病院に駆けつけますが既に亡くなっていました。そして、葬儀の日、父の遺品の携帯電話からその名前を初めて知った姉妹が現れました。 一人は台湾に住むオウヤン・ルージー(欧陽如枝)、そしてもう一人は重慶から髪をオレンジ色に染めたシア・ルーグオ(夏如果)でした。

   父は火鍋店を経営していましたが、この店は賃貸契約の期間が残っており、従業員もいました。そこでユーシューはこの店の経営を継ぐことを決心しました。この3人はそれぞれ近親者と問題を抱えていましたが、3人で協力して店をなんとか経営しようとしました。その中で、3人とも近親者に対する思いや態度が変化していきました。

          注:上記は公式HP https://fagara.musashino-k.jp/ を参考にしてまとめました。

4.感想


  この映画の中で、興味深かったのは中国の文化です。第一に、映画の中で葬儀について「道教式」か「仏教式」かが3姉妹で話題になりました。映画では「道教式」で行われ、「道教式」の服装なのでしょうか、葬儀の手配をしたユーシューは白い服を着ていました。また葬儀では、火を使ったアトラクションのような場面も印象的でありました。

  そして、次に何といっても「鍋料理」です。様々な色とりどりの香辛料をふんだんに使った料理が紹介されました。見るからに激辛の料理に見えました。題名の「花椒(ホアジャオ)」もその香辛料の一つであり、日本の山椒と同じミカン科サンショウ属の一つですが、その赤い実は強い辛みとしびれが特徴的であるとのことです。これを使った代表的な料理が「麻婆豆腐」とのことで、映画の中で出てくる料理であると納得しました。このような面からも、この映画を楽しむことができました。

  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?