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患者さんの背景から感じたこと、知識は大切、相談することも大切です!

今日は、仕事の中で出会った患者さんの話から、考えさせられたことを書いてみたいと思います。

医療保険制度や年金制度って、いい制度なのですが、申請をしないと受けられない制度が多くて、必要な人が利用できていないことも多いのです。


患者Aさんのケース

Aさんは60代の男性、40代の後半に難病がみつかり、仕事を退職しています。車の運転をする仕事だったため、続けられなかったようです。

それからは自宅で引きこもるようになり、奥さんとは離婚します。

この時、難病受給者証はあったので、医療費は上限があり、助かっていたとは思いますが、無収入の状態。母親の年金、預貯金で生活することになります。

その後、脳梗塞を発症し、しばらく入院。リハビリを行い、伝い歩きができる状態で自宅で生活、母親の介護や、介護サービスを利用して生活していました。

脳梗塞発症後、難病の治療は中断、適応がなくなったため難病受給者証は更新されず。

脳梗塞後遺症の障害の状態がこの頃どうだったのか、私にはわかりませんが、この頃はまだ50代で、無収入の状態でしたので、障害年金の受給ができないか考えられたら良かったのに・・・、そんなことをついつい思ってしまいました。

現在、60代のAさんは、他の病気を発症し、治療の過程で寝たきりの状態になり、私のいる療養病院に転院の予定となりました。将来的には、施設入所となっていく予定ですが、無収入なので入院費の支払いや施設の費用の支払いで、ご家族は大変になっています。

障害年金を受けられないか、今家族は考えているようですが、最初の脳梗塞後に通院を怠っているために診断書を書いてくれる医師がいないのです。なので、申請しようとしても、かなり難航すると思われます。

障害年金や障害手帳の申請のことを最初から相談していたり、それを見据えて医療との空白期間をつくらないようにしていたら、全く違った今があったような気がしてなりません。

それでも、障害年金は、条件が揃えば誰もがうける権利があるのですが、医師の判断によることが多く、理不尽さもまた感じるところではあります。

詳細はわからないので、概略だけで感じたことを書いてみました。
知識を持つことや、周りに相談することの大切さを感じた出来事でした。

患者Bさんのケース

Bさんは40代、職場で脳梗塞で倒れ、近隣の急性期病院で治療、その過程で人工呼吸器管理になったりしましたが、今は、人工呼吸器は外れています。

家族とは疎遠、昔何かがあって、家族とは連絡を取っていない状態。家族は連絡をしても関わりたくないようでした。

結局は、成年後見人がつき、金銭管理など身の回りのことをしてもらうこととなりましたが、医療同意はできないため、以前の本人の意思を尊重していくしかありません。

自宅は会社の寮ですが、ごみ屋敷となっていました。
誰が片付けるのでしょうか。その費用は?

そして、金銭面ですが、傷病手当金の受給身体障害者手帳を取得し医療費控除を受けられることが決まり、入院費用などの問題がなくなったので、私のいる療養病院に転院してこられました。

これは、急性期病院の看護師、社会福祉士が制度利用をすすめていったから、Bさんは病院での治療を継続出来ている状態なのだと思います。

家族がいても関りを持ってもらえないケースは少なくありません。家族関係、友人関係って大切。

人は一人では生きていけないのだということを、改めて感じています。

社会保険制度の知識について

社会保険制度って、その時にならないとなかなかわからないものではあるのですが、病気になれば病院に行きますので、わからないことは病院に聞いてみるのもひとつかなと思います。

今は、ある程度の規模の病院には、患者サポートセンターとか地域連携室など、患者さん、ご家族が相談できる窓口があります。病気になって困っていることは、相談してみるのも一つの方法です。関係する機関を紹介してくれたり、制度の説明をしてくれたりすると思います。

本当に困っている人は、相談するということが出来ていなかったりするんだなぁ・・・と改めて感じています。

私が、このnoteを書き始めた最初の記事ですが、医療保険の疑問を書いた記事になります。よかったら、合わせて読んでみてください。



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