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#125 生き心地の良いクラスづくり 

皆さんこんにちは。
サッカー、旅行、読書、Voicy好きのコウチャンマンです。
今回も記事に辿り着いていただき、ありがとうございます。
日々の気付きから、私の学校現場での経験や教育行政という立場から学校を見てきた経験を皆さんのお役に立てたらと思い、記事にしております。

今回は最近読んだ書籍の紹介です。
岡檀さんの『生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由がある』です。

簡単にいうと、自殺率の低い徳島県の旧海部町の分析になります。
この書籍を知るきっかけになったのは、だいぶ前ですが、Voicyのkagshun先生の配信で紹介されていたからです。
読みたい書籍リストでずっと眠っていて、ようやく読み終わったところでした。

タイトルからもわかる様に、クラス作りに活かせないかなと思いました。
つまり、地域のコミュニティづくりという面が、クラスづくりにつながるのではないかということです。
4月も終わり、クラスが少しずつ固まり始める頃なので、お悩みの方のヒントになれば嬉しいです。

自殺予防をするために必要なことをこの本では『自殺予防因子』と表現していました。
そのうちのいくつかについてお話しします。

①深入りしすぎないつながり
調査を続けて行くと、海部町の人たちは他人への興味が大きい人たちであることが分かってきました。
しかし、それは多くの方が想像するのとは異なります。

ゴシップ探しをしたり、粗探しに時間をかけたりということは海部町の人にはありません。
もちろん、「〇〇と●●が付き合い始めた!」みたいな話は出てくるようです。
でも、長くて1週間もすればそれで終わりです。
それ以上は追求しないし、そのことについて評価もしません。

②何事も受け止める
周りの人の意見について、否定する人は少ないです。
しかし、『受け入れる』とは違います。
例えば、街の祭りに使う物の修繕費にはたくさんの寄付を出すが、赤い羽根募金には1円も出さない。
つまり、よく分からないものには、周りの人が賛成であっても自分の意見を通すということ。
だからと言って、周りの人たちを否定することはありません。
人は人、自分は自分ということです。

③弱音を簡単に言える
助け合いの精神が醸成されています。
どの自治体でも助け合いはありますよね。
自殺率が高い自治体との違い次のとおりです。

自殺率の高い自治体:求められたら無理してでも助ける。
⇨助けを求めることに対して『迷惑』『恥ずかしい』と考えてしまう。

海部町:助けを求められる前に、できる範囲で助ける。
⇨できないことは、できないと言える。

だから、海部町では、多くの人が弱音を吐けます。
気持ちを外に出せるため、悩む人が少なくなり、自殺に至る前に防ぐことができるんです。

(書籍の内容と食い違いがあったらごめんなさい)

ここからは私の見解です

クラス作りにおいて大切なことは、学校そして担任として目指す学級像を子供たちに明確に示すことです。
もちろん、示し方には発達段階があるので色々な方法を取る必要があります。
目指す学級像を示すことで、何かあった時に立ち戻れる場所ができることは本当に大きいです。
迷った時には『このクラスは何を目指してるんだっけ?』と子供たちに問えば良いのですから。

それから、教師が子供たちの思いを受け止めることです。
これがないと子供たちの良いところは発揮できません。

今回、この書籍を読んで学んだことは、弱音を簡単に言えるクラスを作らないといけなかったんだということ。
もしかしたら、この点は今までの学級経営で欠けていた部分かもしれません。

最近はよく『心理的安全性』という言葉が出てきます。
私なりに解釈すると『何でもサポートすることではなく、必要なときに必要なだけつながること』ではないかと感じました。

確かに一から十までサポートされると、助けを求めることは迷惑をかけてしまうかもしれないと考えてしまいませんか?
私は、そう感じます。
安心感を作っている様で、実は作っていなかったんだなと思います。

だから、教師も保護者も何でも求めることはやめた方が良いでしょう。
子供が必要と感じているときに手助けすることが必要です。
そうすることで、ちゃんと相談する様になるんだなと勉強になりました。
この辺りは現場で子供と触れながら身につけないといけないので、難しいです。
だからこそ子供とたくさん関わって磨いていかないといけないですね。

別の視点からの学びは、人物本位主義。
年功序列ではなく、その人が何ができるのか、何が強みなのかを見定めることが、心理的安全性につながるということです。

これは、指導の個別化ということにつながるでしょう。
なぜなら海部町の人は、人物本位主義という考え方を持った上で、意見を求めるそうです。
意見を言わない人がいると、意見を求められ、それが的を得ていたら即採用とのこと。

この状況をクラスで作るには、教師が子供の個性を把握し、認めないとできないと思います。
でも、これができれば、本当に良い学級ができると思いますよ。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
皆さんにとって何か気づきがあれば嬉しいです。
それではまた次の記事で!

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