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親がいなくなった時、自分は泣けるのだろうか···10 ( 雪解けの気配 ) # 家族について語ろう


【 前回までのお話 】




このシリーズも終わりに近づいてきました。
心の整理はまだ時間がかかりそうなものの、普段から交流を持たせていただいている方はもちろん、普段、交流のない多くの方から共感等のコメントをいただけることが何よりもうれしいです。

それだけパートナーや家族のことで悩んできた(悩んでいる)人は想像以上に多いのだろうと察します。
そうした方々がお互いに記事を書き、読んでコメント(任意)する交流の場として以下の記事を書きました。

虎吉の固定記事「虎吉の交流部屋シリーズ」の中に入れていますので、積極的にお使いください。

認知度が低く、まだあまり利用されていないようですが、ニーズはかなりあると思っていますので、記事を通して、活気のあるマガジンを作り上げていきましょう !! 具体的な投稿方法は以下記事に書いておりますので、ぜひご参照ください。

# 家族について語ろう (⭐大募集中) 


さて、このシリーズを書いてよく聞かれるのが、「兄との関係はどうだったの ? 」ということです。

兄は、僕と同じように外に放り出されたり、蹴られたり、暴力をふるわれても、なぜか親に怒りをそれほど感じていなかったのです。

新卒給料からもしっかり親の言いつけ通り5万円を毎月入れてました。鈍感力が相当に高いのか、本当に僕にとって不思議きわまりない今でもよく分からない謎の存在なのです。

兄が中学に入ってから間もなく仲が悪くなったのもあり、かろうじてまともに話ができるようになったのはごく最近のことで、僕は話す度に今でもとても緊張します。親と話すのも同様です。僕の中で親兄弟という意識があまりにも希薄なのだと思います。

同じ毒親育ちでも兄弟でまるっきり違った育ち方をするのはとても不思議な現象ですね。

親から距離をあけることで、幾分かは憎しみと軽蔑の気持ちは薄らいできましたが、それでも許せない気持ちは依然として凄まじいものがありました。
もう一生、会うことはないと考えていたのです。

転機が訪れたのは親と離れて約1年経った頃でした。
僕に生まれて初めて「家族」ができたのです。
それがこのワンコ、ココちゃんという女の子です。



毎朝、ご飯をお湯でふやかして、トイレを覚えさせ、帰ってきてからはお散歩に連れていく。
それを繰り返すうちに、娘のような存在に思えてきました。

足にまとわりついてきたり、行くとこ行くとこについてきたり、その行動や仕草が可愛くて、愛情が芽生えてきました。

家族って本来こういうものなんだろうなぁ、家族を愛し、大切にしたいと思えるってこういう気持ちなんだろうなぁ、と初めて家族の本来の姿を肌で感じることができたのです。

そうして徐々に家族というものを知っていくにつれ、心に余裕ができ、親のこともそれまでよりも意識することが少なくなってきました。


さらにもう1つ、親との関係をよくしてくれるとても大きな転機が訪れたのは、家を出てから5年くらい経った頃でした。

結婚した兄に娘ができたのです。僕の姪です。
虎吉一家の家族が1人、増えたのです。病院にいた祖父母のお見舞いに行く時や、正月や夏休みなど、兄夫婦と一緒に色んなとこに出かけ、僕によく懐いてくれています。


元々、母が保育士をやっていたこともあり(これは僕も恐怖の事実です)子どもが大好きだった僕は、いつも姪に会いたい一心で兄夫婦と行動を取っていました。

最初は「親が来るなら俺は行かない」と言って毎回断っていたのですが、姪にとにかく会って一緒に喋ったり遊びたい気持ち強かったので、次第に親が来ることもどうでもよくなり、「一生会わない」と心に決めていた親と数年ぶりに会いました。

ほとんどこちらからは話さなかったものの、その気まずさをいつも姪の明るい声が吹き飛ばしてくれました。親からの暴言、暴力、理不尽な発言にもこの場では恐怖を感じる必要はありません。

こうした機会を重ねるごとに、少しずつ親と「同じ空間にいること」に慣れてくる自分に気づきました。これまででは信じられなかったことです。

親と初めて「適度な距離感」を見出すことができたのです。親は親、自分は自分、と割り切れるようになってきました。いい意味で「どうでもいい存在」として、とらえられるようになってきたのです。

僕は生きることが随分と楽になってきました。
「雪解け」の気配を感じることができています。

今、悩んでいる皆さん、いつか僕のような転機が訪れるかもしれません。生きることに絶望することは、できるだけしないでください。時間や距離が今の辛い気持ちをいくらか和らげてくれるかもしれません。

許せなくてもいいのです。憎んだって軽蔑し続けてもいいと思います。自分は自分、他人は他人、一瞬でも毎日そう思えば少し楽になるかもしれません。

これが人生経験未熟な僕が精一杯言える皆さんへのメッセージです。たった1人でも共感していただける方がいれば本当にうれしいです。


              ( 続く )




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② 隔週開催のプチ企画に使う掲示板です。


③ 毎日の雑談用に使う掲示板です。




      🌠 今日の1曲 🌠

  

● (ピアノ) 見上げてごらん夜の星を :坂本九)





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