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【 シリーズ 】 大学職員の仕事( 7 )



先日、大寒波が列島を襲った。
各地で大雪が降り交通機関がストップするなど、日常生活に大きな支障をもたらしたのも記憶に新しい。

学校も例外ではない。
警報が出たり交通機関が止まっている状況では学生は登校することができない。いつ、どうなったら休講ないし授業が再開されるのか。こうした情報を素早く的確に学生に発信するのが職員の重要な業務となる。

特に大学は学生数も多く、遠方から通う学生も多いため、より「迅速に」状況にあった判断を行うことが重要である。そこで今回は

「天候不良の際の学生対応」

をテーマに書こうと思う(あくまで私の経験を書いています)。

※※※

著しい天候不良が予想される際、職員は前日から情報を共有する。いつから天候不良が始まっていつ頃落ち着きそうか予想を立てながら色々なシナリオをシュミレーションしてから解散する。

翌朝はいつもよりも早い早朝6時頃に教務係全員が出勤し、学生への情報発信の準備に取りかかる。学生に情報を伝える側なので、。大型台風や大雪など基本的にどんな天候不良でも出勤する。

警報等が出た際の対応については規則に載っており、学生へも周知されているので、規則に従って休講、あるいは順次授業再開などの情報発信をしていくことになる。

学内約数千人の学生がこの各学部教務係から発信された情報をもとに自宅待機、ないし順次登校をしていくのである。

同時に教員にも周知しなければならない。
学部内で約100人ほどいる教員に学生に周知した内容と同じことをメール、電話で周知する。
通知漏れがないよう細心の注意を払う。

ただ、こうした警報等のように対応がある程度規則にあらかじめ書かれている業務についてはまだやりやすい。

一番大変なのは警報等は出ていないが学生への配慮が必要な場合である。こうしたケースでは対応方法が規則には載っておらず、当然学生にも周知されていないので、その場その場の状況に応じた素早い判断が要求されるのである。

交通機関の遅延などが典型的であるが、例えば冬場の急激な冷え込みによる道路の凍結などもそうである。

山の麓に大学があり、坂道が多くバイク通学している学生が大半を占めているため、路面凍結の際などはスリップ等で怪我人が続出するのだ。

そんな時も警報等の場合と同じような配慮が当然必要になるので、学生にはゆっくり無理せず来るよう情報発信した上で、担当教員と授業を休講扱いにするかどうか、いつから再開するか、代替措置をどのようにするか等を話し合う。

休講となった場合、授業担当教員と相談して今回授業を行えなかった部分をレポート課題提出に代えるかどうか、補習実施の有無などを1つ1つ確認、整理し、当該授業を履修している学生に学内ポータルサイトから周知し、掲示文書を作成、掲示するところまでやる。

授業ごとに異なる内容の情報発信が必要になるので、早朝から事務室はてんやわんやになる。

単に周知するだけでなく実際にキャンパス周辺の路面凍結状態を確認しに行ったり、間違って学校に来てしまった学生に休講の旨を直接伝えにいったりと最後まで慌ただしく走り回ることになる。

こうして全ての対応と事務処理が終わるのが夕方ごろになる。そこからがようやく教務職員の「始業時間」である。通常の膨大な事務業務に取りかかり、夜8時か9時頃に引き上げる。

なかなかタフな業務であるが、大学を運営していく上で必ず誰かが行わないといけない業務であるし、学生も私たちの発信する情報に従って行動することになるので、使命感を感じる業務である。

※※※

今回紹介した業務はこれまで紹介してきた業務とは少し毛色が異なり、状況に応じた適切な判断をスピーディーに行うことが求められる業務である。大学職員には時にこうした臨機応変さも求められるのである。



また、色々な業務について書いていきます。
多くの方に分かるよう言葉に気をつけて書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします。



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