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8年ぶりの模擬授業から学んだこと

5年目に、市をまたいだ異動をしたことによって、見事に4年目研修・6年目研修なるものを潜り抜け、
いよいよやってきた中堅教員が受ける研修、いわゆる「中堅研」。

今更、学習指導案の細案を書いて、模擬授業なんて・・・・ずっと職場で文句ばっかり言っていました。なぜなら、自分の授業はというと

最初の5分で導入、次の5分でワークシートの説明
⇒30分学び合い
⇒最後の10分で補足・まとめ・振り返り

といった感じなので、すでに学び合いに慣れている集団がそこにいないと難しいのです。ほとんど初めましての状態の中堅教員が数人いたところで、今やっている授業スタイルの実現は難しいと考えました。

というわけで、いつもの授業スタイルが実践できないため、仕方がなく自分はエキスパート・ジグソースタイルを持ち込みました。

簡単に内容を書くと、課題は「明治政府が行った三大改革で最優先すべきものとは?」で、A学制 B地租改正 C徴兵令 について、それぞれ自分の担当するものを調べ、共有し、最後に、明治政府が最優先すべきものを自分なりに考えるというものでした。

授業を受ける大人は小学校の先生や中学校の他教科の先生で、上手く行くか心配だったのですが、活動自体はどの先生も真面目に調べ、考えてくれて、面白かったと言ってくれました。が、最後の課題について自分の考えを書く場面でほぼ全員の手がとまってしまいました。

3択で選ぶものにすれば、子ども達が考えたい!って思ってくれるかなと単純に考えたのですが・・・実際やってみるとかなり難しい。模擬授業の後に、「結局、答えはどれですか?」と聞かれてしまい、ハッとしました(オープンエンドでいいと思っていたので)。

指導主事の先生からもアドバイスを受けて、一見単純そうに見えるけども、
課題を「明治政府が三大改革を短期間で行ったのはなぜか?」
と、政治や社会の仕組みを変える大変な改革を同時期(なんと2年)に行った理由を考えた方が、改革の目的や意義を考えやすかったのではないかと学びました。

生徒が考えたいと思える課題をきちんと設定し、導入で上手く課題に持っていくことの大切さを学びました。小学校の先生はそのあたりが本当に上手でした。最近は教科書の課題をそのまま使っていたので反省中です。

また、「グループや生徒同士の学び合いの場面で、得た情報を全体で共有する場がないのか?」という質問がありました。

実際の授業では、最後の10分の間に補足と言う形で共有することはあります。ただ、活動時間が延長して時間切れで、用意した追加資料を見せるぐらいで、学び合いで出た意見の共有はできない場合の方が多いです。


もう少し活動内容や時間を減らして、授業の最後の「全体共有」を意識する構成に変えていきたいと思います。

というわけで、二学期は課題設定と、まとめの共有をきちんとできるようにしたいと思っています。
まぁ、二学期の初回は「〇〇の特色はなにか?」になりますが…。

ところで…「模擬授業」なので、生徒役として他教科の授業もがっつり受けました。
数学×2、理科×2、社会×1、国語×1、英語です。

本当は技能教科も受けたかったのですが…。
そこで思ったのは、やはり「先生から説明してほしくない」でした。自分で考えたり、友達(今回は生徒役の先生)の意見を聞くのは楽しいのですが、先生が説明してしまうと、考える前に答えを言われてしまったことで、冷めてしまうことが分かりました。せっかく、面白そう・・・考えたい!と思っても、すぐに説明されてしまう場面が何回かありました。
初任研の時とちがって、さすが中堅の先生で、説明の中身こそとても分かりやすかったのですが、理解しやすいのと同時に自分でもかんがえてみたかったなと思うのでした。

それが、先生ではなく、他の生徒の発言だった場合は「それは違うかもな・・・」と考えることをやめないので、大丈夫でした。

いろんな授業を受けてみて、説明を聞く時間が最小限に抑えられていて、自分が考えたり、話していたり、他の生徒がはなしていたりする時間は、その授業に熱中できました。

逆に、先生がずっと説明している授業は、考え事や後に控える自分の授業を気にするなど(本当は駄目ですが)他のことが頭をよぎってしまいました。

一番面白いと感じたのが、小学校の国語の授業でした。
自分の普段の授業のように、導入5分⇒活動30分⇒まとめ10分という感じの授業で、課題 調べた情報をもとに、記事のレイアウトを考えよう 的な感じでした。
本当なら、児童が自由に立ち歩いて、友達と話したり、本を読みに行ったり、タブレットで調べたりしながらレイアウトを考える想定だったと思うのですが、初対面の教員ばかりなので、気軽に喋れるわけもなく、皆沈黙の自習状態。

それでも、友だちにアドバイスをもらう仕掛けがあり、私が自身の授業で出来なかった全体で良いレイアウトを共有する時間もあり、大人の自分でも面白かったー!と思える授業でした。


やはり自分が何か考えていたり、活動していたりする時間が長い授業が面白い!と模擬授業を受ける立場を体験して、確信しました。先生の話をずっと聞いていても頭に入らないので…。


ただ、生徒の主体的な活動中心の授業で生徒の学力が伸びるのかは、まだまだ疑問です。先生から直接聞いた方が時間も短縮でき効率が良い気がします。


今の私の授業はまだまだ、塾で事前に学んでいる子供たち頼りになっているのが課題です。そのあたり、自分自身の授業を改善しながら検証していきたいと思います。





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