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不便だから良い?

1. エピソード

10月下旬、母と2人で日光に旅行に。

私達は静岡県に住んでいるため、交通手段は、

新幹線で静岡→東京 約1時間15分
在来に乗り換えて、東京→浦和 約25分
JR特急スペーシア日光に乗り換えて 浦和→東武日光 1時間30分
その後、バスに乗り換えて、目的地まで 約50分。

片道合計4時間ちょっと。

のはずだった。

しかし、この時期の日光を甘く見てはいけなかった。
(私たちはこれを狙ったわけでは全くなかったが)偶然にも、朝のニュースでは「日光は今日から紅葉が見頃です」と報道していた。

東武日光駅から出るバスは、予定より1時間遅れ。
バス内は座席だけでなく通路も立ちのお客さんで満員。
鮮やかに色づいた秋の日光の景色を求めて、多くの方が訪れていた。
渋滞でバスは進まず、乗車時間もプラス1時間。
(途中ハプニングもあり1本電車の便を変更して遅らせた)

トータルの片道所要時間は8時間。

長かった(笑)
うん、長かった(笑)

ただ、
それを乗り越えて目的地に着いた時、その感動は本当に大きかった。
「やっとついたぁ〜!」その時の開放感、体の中から湧き出るような嬉しさ、みなさんも経験があるのではないでしょうか。

ここでふと思った。
もしこれが、移動時間5分で家から目的地に着いていたとしたら、同じ感動を味わっていただろうか?

2.気付き

この体験の中に確かにあったもの。
それは

「不便の価値」

人間は、振れ幅やギャップに惹かれる生き物であると思う。

険しい山道を何時間も満身創痍になりながら登り切った者だけが見れる山頂からの景色は、なぜあれほど心を揺さぶられるのか。
自宅よりも道具や設備も整っていないキャンプ場にわざわざ行き、時間をかけて行うBBQはなぜ何倍も美味しく感じるのか。

喜びの前に”不便”というステップを踏むことで、その喜びは何倍にも大きくなる。
今回の旅行においても、この移動の不便さは必要条件だった。

また、私は「移動長いな〜」と感じながらも、その道中間違いなく、
移り変わる景色や、初めての乗り物で知らないところへ向かう感覚を楽しんでいた。
不便である移動時間自体が、楽しいコンテンツの一つであった。

3.サービス設計に活かす

この設計は、自身がサービスを提供する際に生きる場合もある。

全てが完璧で便利であるという快適さを価値にするのか
あえて不便な場所を作り、その振り幅によってその先にあるものの価値をさらに高めるのか

提供するコンテンツにもよるし、お客様の行動や心情の変化を意識した全体的なサービス設計が重要なのだと思う。


最後まで呼んでいただきありがとうございました!


キングコングの西野さんが、コミュニケーションを創出する、という観点から不便さの必要性についてお話しされていました。
気になる方は、「夢と金」を読んでみてください☺︎

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