見出し画像

遅刻(140字小説*4)

ある子どもが不治の病を抱えて生まれた。もってあと三日の命だろう。三日たった。子どもは死ななかった。一年が過ぎるころには病は消え、すっかり元気になった。その子は多くの人に愛され、百歳まで幸福に生きた。死ぬ間際、死神がやって来て言った。「いやー、ごめんごめん。百年も遅刻しちゃったよ」

#140字小説 #小説 #短編小説 #死神 #幸福

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?