死に損ないおばけ

黒い空を見つめ続けたけど
何もない
冷たい空気が通り過ぎていくだけ
雨はまだ降り続いていて
僕の体はどんどん体温が下がり続けて
あれから消えたものは増え続けて
処方箋とかかりつけ医も増え続けて
途中で数えるのをやめた
大切にしてた感情も消した
息はしやすくなったけど
もしかしたらもう
心臓が動いてないだけかもしれない
嘘はつかなくなったけど
もしかしたらもう

日記20211020
2020年のお正月に死に損なっているので、それからこれまでの生活は
ずっと、「死に損ないおばけ」として生きている。多分明日も変わらない。
あまり感情というものは無い。

世界も同じくらいのタイミングで死に損なって、
何故か今も長々と生きながらえている。

しぶとい。メンヘラ級にこの世界もしぶとい。

でも、どちらももしかしたら本当はもうおばけなのかもしれない。
まぁ、どちらでもいい。

明日聴ける音楽さえあれば、どちらでもいい。

未だにこんなゴミクズ人間の私に優しくしてくれるひとの気持ちがわからない。
単に物好きなのか、変な人なのか、
ひまなのか、この世に徳でも積もうとしているのか。(そしてその徳は来世に持って行けるのか、現世でもポイントカードみたいに還元されるのかは知らない)

何にせよ、私はそれで得している。
ポイントカード方式をとっているけれど、めんどくさがり屋なので、還元サービスの事を忘れてしまってお客さんからクレームがたまに来る、まぁまぁキツめのやつ。
そんなに良いサービスを受けたいのなら他の店に行けばいいのにと思いながらも、雑破な店主なので、「すいません、あざっす」ぐらいしか言えない。

「他の店に行けばいいのに」
喉元で止めて帰っていく客の背中を見送る。
多分、またこういう年に2回あるかないかのバカみたいな土砂降りの日にわざわざ来そうだなぁ、と思いながら。お気をつけて。またね。

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