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コロナ禍での集団健診(1歳半)

コロナが問題になってからはじめての集団健診へ行ってきた。

まず密を避けるために健診日程が増えた。そして待機スペースの椅子が減った。待っている間に職員が何度も消毒作業を行なっていた。

シュッシュっとアルコールをスプレーする音に興味を持った子たちが集まってくる。

問診票と一緒に入っている案内に「最小人数でお越し下さい」と記載があった。夫婦+祖母で来ている人はちゃんと読んだのか疑問だった。最小人数とは。

保健師が行う問診の時に透明のアクリル板があった。

家庭の様子や発達の具合を保健師に色々と聞かれる。その後、歯科検診と身体測定をして医師の診察を受ける。

小さな積み木を積んだり、歩き方を見られたり。とにかく見られる。積み木は何個積めたかを問診票に記載されていた。

小さな赤い積み木が気に入ったのかずっと握っていた。問診も終盤になる頃にやっと積んでくれた。4つ積んだ。積み木は9個あった、ひとつでも多く積んでくれというのが親心。

言葉の数が少ないことと食事を自分で食べようとしないことを話すと、最終的に発達の先生にも見てもらうことになった。

そこではボールを転がしたり、色鉛筆でめちゃめちゃ書きをしたりさっきはやらなかったことをする。どうやらまだ手首の力があまり発達していないらしい。

この時期は言葉は個人差が大きくそんなに気にしなくてもいいと言われた。明らかなことは分からないらしい。毒にも薬にもならないことを言われて終わった。

今までとの関わりを続けながらも、加えて発達にいい遊びの一覧が書かれたプリントを渡された。イラストに年季を感じるテイストだった。

1歳半健診はそんな感じで終わった。

子ども中心に見られていくが、それは子どもを通して親を評価しているように思えた。

家庭での関わりがいいから待合室できちんと座っていられる、家庭での関わりがいいから虫歯がない、家庭での関わりがいいから栄養状態がいい。そんな風に聞こえる。

息子は待合室で走り回っていたし、どちらかといえば痩せ型だ。それを家庭でも落ち着きがないのでは?と発達の先生に指摘された。

絵本にもまだ興味を持っていない。読み聞かせがほとんど出来ないし、音の出るおもちゃの方が好きだ。身体を動かすのは好きなようだ。

やっぱり絵本にも興味があってジッとしていられる子がきちんと教育されていると思われるのだろうか。

もうすでにこの段階で親の思い通りには育たない。しかし元気で育っている。この時期にしている関わりで将来出来ることの幅が変わってくると言われるとプレッシャーになる。

そんなこと言われなくとも分かっている。他にもテレビやスマホを見せる時間を減らそうという趣旨が書かれたプリントももらった。テレビよりも親子の触れ合いを大切にしましょうと記載されている。分かっている。

生かすだけで精一杯の日もある。余裕がある日にやればいい。そんなことも分かっているけど理想の育児方法の布教は根深い。

家庭での息苦しさなんて相談する余裕がない。そんな空気じゃなかった。子どものことだけを考える場だったからだ。

母親のことを気にかける余裕なんて社会にはない。子育てはまだまだ家庭での力に任せられていると思う。

母親はこうして空気になっていくのか。
そんなことを思って肩の力が抜けた。

情報が載った冊子の1番後ろに「息抜きできてますか?」と書かれている。出来ていなくても使える資源には触れられていない。

一時預かりの情報や家事代行サービスのことを知っている人ばかりではない。

結局、支援センターもコロナの影響で少人数開催を余儀なくされていて受け入れ人数が限られている。

自分で調べる力がある間に動かなければ、本格的に困った時にはもう誰も助けてくれないと思う。

家庭を破綻させてはいけない。簡単に思えるかもしれないけど、何本も予防線を張っておくと安心だ。


無印良品のポチ菓子で書く気力を養っています。 お気に入りはブールドネージュです。