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記憶で味わう

マックは薄味で、キムチは辛さのみ。

先月、コロナになった。熱や体の痛みに苦しんだものの、それよりも悩まされたのが、治った後の咳喘息だ。声を出すとゴホゴホ。出さなくてもゴホゴホ。ちょっとした刺激で喉がピクピクっと反応し、咳を出す体制に入る。夜中であろうがうがい中であろうがお構いなしに咳が出る。そして、一度出るとなかなか止まらない。

このままだと生活に支障が出てしまうので、近所の呼吸器科で飲み薬と吸入薬をいくつか処方してもらった。そのうちの1つに新薬があった。薬剤師さんは丁寧に説明してくれ、「味覚障害が出る可能性があります」と副作用にも触れた。

少しの不安はあったものの、今は味覚障害よりも咳を止めることを重視したかったので、思いきって飲んだ。「味覚障害ってどんな風になるんだろう」という好奇心も少しだけあったと思う。

薬のおかげで夜中に咳き込んで目覚めることはなくなったものの、副作用はすぐにやってきた。早朝の犬の散歩から帰り、夫が入れてくれたポカリを飲んだら味がしない。苦味以外の味覚がほぼわからなくなっていた。

さらに、今朝から口の中が乾燥するように。ザラザラした口内とヨーグルトとの相性は最悪だった。

食欲はある。なのにおいしく食べられない。食事をするときは、過去に食べた記憶をたぐり寄せて味わった気になっている。

悲しいけど、しばらくこの生活は続く。せっかくなので、最近食べたものの中で、とくにおいしかったものとおいしくなかったものをメモしておこう。

おいしかった

・カレー(辛さを感じられる、遠くでカレーの味がした、子が作ってくれた)
・レタスときゅうりのサラダ(食感)
・スイカ(水分、食感)
・コーンフレーク&牛乳(水分、食感)
・キムチ(味はほぼわからないけど、辛さを感じられる)

おいしくなかった

・ヨーグルト(味がしない、舌触りもよくない)
・桃(食感だけで味わうものではない)

味覚がほぼなくなると、頼りになるのは食感だ。せんべいも食べてみたけど、水分を持っていかれてしまうので、今の私には危険すぎた。

この味覚障害は、服薬をやめると96.0%回復することが報告されているらしいので、あと少しの辛抱だ。

味覚が戻ったら何を食べようかな。じっくり味わえる繊細な味わいの料理がいいかも。家族や友達と「おいしいね」と言いながら食べる日が楽しみだ。

※画像は早朝に犬の散歩に行ったときに見た朝焼けです。咳がある程度治まるまでは、誰にも会わない時間に家を出ていたのでした


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