harlequin_moon

名前は北原白秋の「まざあ・ぐうす」の「マザア・グウスの歌」にある道化のハアレクインから…

harlequin_moon

名前は北原白秋の「まざあ・ぐうす」の「マザア・グウスの歌」にある道化のハアレクインからとりました。

マガジン

  • ポエトリースラム

    ポエトリースラムで読んだ詩をアップします

  • カバの話 カバーバージョン

    木戸-Zさんの『カバの話 』のカバー権を使って書いてみました 着想はクノーの「文体練習」から得ています

  • モノステデータ

    モノステとは、毎週木曜5~6人の出演者が全国から参加し、主宰・渋谷悠著のモノローグ集『穴』から短い一人芝居を披露する生配信番組です。 そのモノステの過去の上演データなどを集めたデータ集です モノステ招待状はこちら https://note.com/yushibuya/n/n525a60b1e6ac

  • 自作モノローグ(習作)

    ハアレクインムーン作のモノローグの習作です 渋谷悠氏のモノゼミを受講しながら書いています

  • ハアレリターン&コランリターン

    モノステの投げ銭に対するリターンを紹介します

最近の記事

  • 固定された記事

生きること (改)

2024年2月11日 恋スラム 第3回 両思い予選で読んだ詩 生活ができればいい 私がいなくなった後も生活ができればいい 自炊してもいいし、スーパーの弁当を食べたっていい 生きて生きて生きて死んでくれればいい テレビを楽しんだり、ネットで漫画を読んだり 笑って笑って笑って少し泣いて死んでくれればいい お思い通りにならなくても思い通りの人生だったと振り返って死んでくれればいい その時、私はいない たぶんいない あなたが一人で生きられるだろうことはわかる わ

    • 忘却 (改)

      2024年2月11日 恋スラム 第3回 決勝で読んだ詩 なんだっけ 昨日の記憶 なんだっけ あれだよ あれ あなたと昨日食べたパスタはおいしかったね どこの店だっけ 駅前の小さな店 他に何を注文したっけ 私の頭の片隅の その欠落の穴が 悲しみを紡ぎ出す 一緒にいた時間の 手繰り寄せても掴めぬ 影が淡く残る 帰り道のない冒険が待っている 思い出せないでいるこの旅 なんだっけ 昔の記憶 なんだっけ あれだよ あれ あなたは最初のデートにお弁当持ってきたよね どこの公

      • 仕様通り (モノステVer.)

        私は生きていることができます 私は食事をすることができます 私は排便をすることができます 私は排尿をすることができます 私は仕様通りですか 私は笑うことができます 私は泣くことができます 私は怒ることができます 私は憐れむことができます 私は仕様通りですか 私は悲しい時に笑うことができます 私は怒っているときに笑うことができます 私は憐れむときに笑うことができます 私は笑いたいときに笑わないことができます 私は仕様どおりですか 私が蚊に刺されてかゆい時 私はかゆい人です

        • バグ (改)

          2023年12月23日 NSWS第3期 決勝戦トーナメントで読んだ詩 バグがある 私はバグだ だがロジックが通らない限り 私は発動しない 発動しなければ私はバグではない 認知されなければ私はバグではない 私はバグだ 仕様通りでないので 仕様通りで認知された欠陥野郎とは違う 私は仕込まれたバグだ 恨みや辛みが仕込んだバグだ ロジックの中の一点だ 私はバグだ 隠された恨みが胸に渦巻く 発動した時 それが露わになる 認知されなかった 理解されなかった

        • 固定された記事

        生きること (改)

        マガジン

        • ポエトリースラム
          15本
        • カバの話 カバーバージョン
          5本
        • モノステデータ
          91本
        • 自作モノローグ(習作)
          13本
        • ハアレリターン&コランリターン
          5本
        • モノステで優勝を目指すには?
          1本

        記事

          仕様通り (改)

          2023年12月23日 NSWS第3期 決勝戦当日予選枠で読んだ詩 私は生きていることができます 私は食事をすることができます 私は排便をすることができます 私は排尿をすることができます 私は仕様通りですか 私は笑うことができます 私は泣くことができます 私は怒ることができます 私は仕様通りですか 私は普通でいることができます 私は普通でいないことができます 私は悲しい時に笑うことができます 私は怒っているときに笑うことができます 私は笑いたいときに笑わないことができま

          仕様通り (改)

          2023年10月26日 NSWS第3期#5 で読んだ詩 綺麗だ 飛び石でついた フロントガラスの傷 鳥が羽根を広げているようにも見える でも どんなに綺麗に見立てても 傷は傷 取り替えることになる それまではここで休んでいくといい 私と一緒に お前も私も飛び立てはしないのだから 痛みが胸を刺すこともある 傷は過去の証しとなる しかし傷を負っても 生きていくしかない フロントガラスの傷は 悲しみや苦悩の名残かもしれない それは私の一部であり 生きた証となるの

          語られ

          2023年10月26日 NSWS第3期#5 で読んだ詩 語る言葉は増えたが 聴ける耳が少なくなった 語りたい気持ちは増えたが 語られる我慢ができなくなった 言葉の海に酔い 対話の舞台に立ち それぞれが自身の物語を抱えて 経験を語ってしまう 成功した経験 失敗した経験 それは私の経験 それぞれの道を歩んできた それぞれの痕跡を背負って 私の話を聞け!! 年齢を重ね嘆きが増えた 若さを手放し響く言葉が少なくなった 答え探しはもうたくさん 答えをすぐ求めてしまう 傾聴

          白い花

          2023年10月26日 NSWS第3期#5 で読んだ詩 ええ、私は白い曼殊沙華です いえ、ほかの花ではありません はい、白い曼殊沙華なんです いえ、かわいそうではないんです ええ、元々白いんです いえ、赤くはなかったんです はい、赤くなることもないです いえ、かわいそうではないんです ええ、白が私なんです いえ、赤ではないんです はい、赤くなろうとも思っていません いえ、耐えているのではないんです 白いのが私の在り方なんです 世界には無数の色彩があります そのひとつの

          バグ

          2023年9月30日 𝐊𝐎𝐓𝐎𝐁𝐀 𝐒𝐥𝐚𝐦 𝐉𝐚𝐩𝐚𝐧仮想地方(ツイキャス)大会2023の決勝で読んだ詩 バグがある 私はバグだ だがロジックが通らない限り 私は発動しない 発動しなければ私はバグではない 認知されなければ私はバグではない 私はバグだ 仕様通りでないので 仕様通りで認知された欠陥野郎とは違う 私は仕込まれたバグだ 恨みや辛みが仕込んだバグだ ロジックの中の一点だ しかし 私にも心がある 隠された恨みが胸に渦巻く 発動した時 それ

          生きること

          2023年9月30日 𝐊𝐎𝐓𝐎𝐁𝐀 𝐒𝐥𝐚𝐦 𝐉𝐚𝐩𝐚𝐧仮想地方(ツイキャス)大会2023の準決勝で読んだ詩 生活ができればいい 私がいなくなった後も生活ができればいい 生きて生きて生きて死んでくれればいい 笑って笑って笑って少し泣いて死んでくれればいい お思い通りにならなくても思い通りの人生だったと振り返って死んでくれればいい その時、私はいない たぶんいない あなたが一人で生きられるだろうことはわかる わかる?わからない 先のことなどわからない 生き

          生きること

          仕様通り

          2023年9月30日 𝐊𝐎𝐓𝐎𝐁𝐀 𝐒𝐥𝐚𝐦 𝐉𝐚𝐩𝐚𝐧仮想地方(ツイキャス)大会2023の予選グループで読んだ詩 私は生きていることができます 私は食事をすることができます 私は排便をすることができます 私は排尿をすることができます 私は仕様通りですか 私は笑うことができます 私は泣くことができます 私は怒ることができます 私は仕様通りですか 私は普通でいることができます 私は普通でいないことができます 私は悲しい時に笑うことができます 私は怒っているときに笑うことが

          名も知らぬ

          2023年9月30日 𝐊𝐎𝐓𝐎𝐁𝐀 𝐒𝐥𝐚𝐦 𝐉𝐚𝐩𝐚𝐧仮想地方(ツイキャス)大会2023の予選グループで読んだ詩 オオバコ エノコログサ ヒメジョオン ネジバナ カタバミ アカツメクサ ホトケノザ ハハコグサ カラスノエンドウ オオイヌノフグリ 雑草という名前の草はない それぞれに名前がある 地に根を張り 風に揺れる彼らは 無名の存在ではない しかし、彼らは雑草として刈られる 私も刈る 名前は記号で、彼らのことを知らないから カラスノエン

          名も知らぬ

          『カバの話 文体練習 番外 オノマトペVer.1.0』

          夜中に竹田がゴソゴソと家に来た 手のひらをザリザリに擦りむいて ヌルヌルと泥だらけだった カバとガンガンに相撲をとってきた、と竹田は言った カサカサのサバンナとかにいるカバ? そのカバ。 動物園、閉園のまぎわで人は疎らだった 柵を越えて 竹田はカバの居所に乗り込んだ 目の前にドキドキ立ってみて カバについて何も知らなかったと気づいた 体長3.5メートル 体重3トン 途方もない大きさだった 毎日、モシャモシャ51キロの草木を食べて ドッドッドウと時速41キロで走る カバは、何を

          『カバの話 文体練習 番外 オノマトペVer.1.0』

          『カバの話 文体練習 集合論Ver.1.0』

          竹田は家に含まれ且つ夜中に含まれる 竹田は手のひらをすりむいて且つ泥だらけの属性を持っていた 竹田とカバは相撲で交わっていた そのカバにはカバ科カバ属としてサバンナに住むカバの要素であった そのとき竹田は閉園間際の属性を持つ動物園の部分集合だった 竹田は動物園に含まれ且つ柵の中に含まれるカバと同じ集合に含まれた 竹田にはカバについて何も知らないという属性がある カバには 体長3.5メートル 体重2トン 途方もない大きさだった 毎日、50キロの草木を食べて 時速40キロで走る

          『カバの話 文体練習 集合論Ver.1.0』

          『カバの話 文体練習 感嘆符Ver.1.0』

          なんと、夜中に竹田が家に来た! 手のひらを甚だしく擦りむいて、全身泥だらけだ! しかも、カバと相撲をとってきたというではないか! 思わずサバンナのカバか?!と聞いてしまったではないか! ああ、そのカバ!! 竹田は、人が疎らな閉園まぎわの動物園で柵を越え、カバの居所に乗り込んだ!! なんと目の前のカバについて何も知らなかった! 体長3.5メートル、体重2トン途方もない大きさだ! 毎日、50キロの草木を食べて、時速40キロで走るんだ! カバは、何をしに来たのかとでも言うようにこち

          『カバの話 文体練習 感嘆符Ver.1.0』

          『カバの話 文体練習 嗅覚Ver.1.0』

          夜中に竹田が家に来た 手のひらから血の匂いをさせて 体からは泥の臭いがした カバと相撲をとったのでカバの臭いがするだろうと竹田は言った 嗅いだことはないがサバンナの匂いを感じた それはカバの臭いだといった 動物園、閉園のまぎわで人は疎らだった 鉄さびの臭いのする柵を越えて 竹田はサバンナの匂いのするカバの居所に乗り込んだ 目の前に立ってみて カバについて何も知らなかったと気づいた 体長3.5メートル 体重2トン 途方もない大きさで、臭かった 毎日、51キロの青臭い草木を食べて

          『カバの話 文体練習 嗅覚Ver.1.0』