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筋トレにおけるパンプアップの定義と重要性

筋トレをするときには、パンプアップを意識することも多いでしょう。しかし、正確に何がパンプアップであり、どのように筋肥大に効果があるか言葉で説明できる人は少ないではないでしょうか。パンプアップは多数の関連機能の複雑な生理的プロセスから生じるものです。また、ボディービルディングで効果的なパップアップのためには適切なウェートトレーニングを行う必要があります。時には、十分なパンプを得られず、トレーニングに不満を感じることもあるでしょう。このような場合は筋肉の成長に必要な条件が整っていないことを意味します。この記事ではパップアップの定義、そしてそれを達成するための方法と筋肥大との関連性を説明いたします。

パンプアップとは

「パンプ」とは、ウェートを上げるときに発生する筋肉のサイズの一時的な増加を指します。そして、筋肉が血液やリンパ液でいっぱい満たされ、水風船のように腫れ上がる現象を「パップアップ」といいます。一時的な現象であり、放置すれば元に戻りますが、パンプアップを繰り返して起こすことで筋肥大につながる効果があるとも言われています。

パンプアップはなぜ起こるのか

◇パンプアップのメカニズム
パンプアップのメカニズムを理解するには筋トレをするときに筋肉の中で何が起こっているのかを調べる必要があります。筋トレ時筋肉は、酸素と栄養素を供給するために血液を必要とし、老廃物(乳酸と二酸化炭素)を除去する必要があります。パンプアップが起こるまでのステップは以下となります。
 ① 筋トレを行うことで筋肉が働かされる
 ② 働いた筋肉は働き続けるために酸素と栄養素を必要とする
 ③ 働いた筋肉は結果として老廃物が溜まる
 ④ 神経系および内分泌系は、働いた筋肉により多くの血液を送り込むよう心臓に信号を送る
 ⑤ 血液の流れは優先的に働いた筋肉に集中して供給される
筋トレ中筋肉には通常の血液の量の4倍も受け入れられると考えられています。なぜ筋肉にこれほどの血液量が必要でしょうか。前述したように、筋肉は、持続的な収縮を続けるために十分な酸素および栄養素を必要とし、その結果、パップが得られるのです。

◇いいパンプを得るための条件
いいパップを達成する唯一の方法は、適切なエネルギーを摂取し、筋肉に負荷を与え、働く筋肉に十分な血流を与えることです。ここでいう適切なエネルギーとは特に炭水化物を意味します。これは、炭水化物が身体の第一の燃料源であるため、体が炭水化物で満たされている時、迅速な血液供給が可能となるからです。また、効果的にパンプを得るためのトレーニング方法としてより高いレップ数とより短いインタバル採用することが挙げられます。特定筋肉に対して高レップで繰り返して焦点を当てます。この時すべてのセットとすべてのレップに集中することが重要です。特に最後の2,3,4レップの追い込みがパップを作ることに決定的役割を行います。また、多くのドロップセットを行うことで該当筋肉に血液を最大限送り出すことができます。このようにパンプアップは食生活やトレーニング方法、そして個人のストレスレベル等たくさんの条件に関係しています。ストレスが多いと筋肉はより堅くなり、脈拍数が上昇し、体がストレス誘発性ホルモンであるコルチゾールなどのホルモンを放出するため、パップを得ることが難しくなります。

パンプアップは筋肥大(バルクアップ)に有効?

◇筋肥大(バルクアップ)とは?
筋肉は筋線維の束でできています。この筋線維が肥大し、体積が増加することを筋肥大といいます。トレーニングなどで刺激を受けた筋肉は、筋線維の一部が破断されます。 その後、適切な栄養と休養を与えることにより、傷ついた筋肉は修復されます。 このとき筋線維は以前よりも少し太くなって修復されるので、結果的に筋肉が大きくなります。 これを超回復といい、繰り返すことで筋肉の体積が増加し、筋力アップにつながります。

◇パンプアップと筋肥大(バルクアップ)の関係
上記のメカニズムの他、筋肥大は筋肉が正常な大きさを超えて膨らんだときに生じる筋膜の伸びからも生じることがあります。この筋膜層(皮膚と筋肉との間に見出され得る)が引き伸ばされると、継続的な筋肉成長のための空間が生まれることになります。時間が経つにつれて、パップアップによって筋肉にはより多くの毛細血管が作り出され、これは筋肉により多くの栄養素と酸素を供給します。その結果長期的にはより大きなパンプとより多くの成長を可能にする。

まとめ

事実、大半のトレーニングで高重量のコンパウンド運動に集中すれば、筋肥大における速い進歩を遂げることができます。しかし、パンプアップで筋肉を構築できることは間違いありません。もちろん短期間で見るとパンプアップが筋肥大にとって最善の方法ではありませんが、パンプアップで得られる筋肥大の効果を無視することはできないでしょう。セントラルフロリダ大学の研究者が行った近年の研究では、パンプアップによって効果的に筋肉を構築することができることが分かっています。重量を伸ばして、筋肉を肥大させることを基本としながらもパンプアップ訓練もトレーニングに取り入れることで、最大限筋肥大の効果を得ることができます。

◆参考資料
【セントラルフロリダ大学:筋肥大におけるボリュームと強度トレーニングの効果】
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26272733

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