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ゴアギル天に召される。

トランスの聖地" として知られるインド・ゴアを拠点とし、世界中で活動してきたゴアトランス、サイケデリックトランスのジャンルのパイオニアであり伝説的 DJ/プロデューサー/スピリチュアルリーダーであった Goa Gil(ゴア・ギル)こと本名シュリ・マハント・マナガラナンド・プリが、現地時間の10月26日、"この世の肉体を離れ、この地上回での壮大な旅に終わりを迎えた" とのことだ。享年72歳。死因は進行性のガンであった。Goa Gill は、長年のキャリアと功績を認められ、最大1億人以上が集まると言われている、ガンジス川で沐浴し各々の罪を洗い清める、12年に1度だけ開催される世界最大のヒンズー教の祝祭「マハ・クンブメーラー」にて、インドの僧侶より公式に「Shiri Mahant」の名を授与した世界唯一のトランス・グル(グル:宗教的指導者に与えられる称号)としても知られている。

Goa Gil は、以前よりガンを患っており、闘病生活を続けていたが、2ヶ月間寛解したかと思われていたところに、驚くほどの速度の進行性のガンを再発。二度目の化学療法を行ったが、体への負担が大きく、更に衰弱してしまったとのことだ。
肺炎を患い、72歳の誕生日前日に再入院し検査したところ、腸に穿孔があることが判明、医師によると、体力が衰弱しすぎているため、手術は不可能であり、腸に穴が空いているため化学療法を再開することもできないと結論づけられ、化学療法と固形食品の摂取を止めたとのことだ。

▼ ガンの再発が見つかる前、一旦回復に向かっていた際の Goa Gil
その後1週間入院したが、特に有効な治療法が見つからず、これ以上医師による治療は難しいと判断し、家族、信者、友人たちと自宅で最後の日々を過ごせるように、ホスピスに入所すという決断を下したという。
その後、Goa Gil はカリフォルニアの自宅で愛する人たちに世話を受け、食事も摂れず、水分も少量しか摂取できず、なるべく快適に過ごすために大量の鎮痛剤を服用しつつ生活していたが、日に日に衰弱し、現地時間の10月26日午後8時30分頃に、"ついに宇宙に帰還した" とのことだ。
Goa Gil は最期の日「全ての人に愛と祝福を贈りたい」と願い、"長年に渡って受けてきた愛と支援に感謝したいと述べ、安心してこれからの旅の準備ができていた" とのことだ。
人々に対する Goa Gil からのメッセージとして、訃報の最後には「Om Namo Narayan !!!」というマントラの言葉が綴られているが、これは "全ての人々に平和、健康、幸福をもたらすマントラ" であるとのことだ。
https://youtu.be/pot42HZO83o?si=88X1H3MZAZx9Rre1


ゴアトランス(英語: Goa Trance)は電子音楽の1種のトランスの1ジャンルである。そのままゴアと呼ばれたり、604(特に日本国外では符丁としてこう表記ゴアトランス現地名Goa trance様式的起源Indian classical music, EBM(Electronic Body Music), Acid house, Psychedelic rock, German Trance, New beat文化的起源1980年代後半から1990年代中盤、ゴアヨーロッパイスラエル (influenced by Hippie culture)使用楽器電子楽器派生ジャンルサイケデリックトランステンプレートを表示
1990年代始めにインドゴアで生まれた。1980年代後半にドイツで誕生したトランスが、リゾート地でありバックパッカーの聖地でもあるインドの西海岸ゴアで発展したトランス。ゴアにはそれ以前はトランスと呼ばれる音楽はなく、ロックアシッド・ハウスパーティで流れていた。有名なDJRaja Ramゴア・ギル英語版)はこの頃から活躍していた。

インド音階やイスラム音階などを用いたメロディや、宗教を思わせるパーカッションや音声をサンプリングし、有機的で民俗的な楽曲が多いのが大きな特徴である。1990年代前半から後半にかけて大きく流行したが、現在ではゴアトランスから発展したサイケデリックトランスにその座をゆずり、ごくアンダーグラウンドなシーンで静かにその世界を広げている。
当時シーンを牽引したアーティストは大きくイギリス・ドイツ・イスラエル出身者に分かれ(もちろん、他の地域にも居たが)、特にイスラエル出身者の作り出す音をイスラエルトランスとして分けて呼ぶ場合もある。ジャケットデザインもSHIVAやGANESHAなどのヒンドゥー教の神々をあしらったものや、フラクタル図形をベースデザインに使ったりする事でLSDなどのトリップ感をイメージしたものが多かった。ゴアトランスは、1994年~1998年ごろに最盛期を迎え、その後、製作・人気の両方の面で急激な衰退を迎えた。それに代わるように、サイケデリックトランス、またはサイトランスと呼ばれるジャンルの隆盛が始まった。ゴアトランスは、1990年代後半から2000年代初頭にかけてのサイケデリックトランスの出現に大きな影響を及ぼしている。 この時期は、この2つのジャンルが融合を果たした時期といえる。専門的な定義を除けば、ゴアトランスとサイケデリックトランスの区別は、個人の好みの問題となっている。よって、その2つを同義語として使う者もいれば、それを聞き分ける者もいる。例えば、「無機質なサイケデリックトランス」と「有機的なゴアトランス」のように区別する者がいる。多くの国において、ゴアトランスは、他のジャンルのトランス音楽と比較すると、アンダーグラウンドな存在であり、あまり商業的な音楽であるとは言い難い。ゴアトランスは、クラブでかけられるというよりは、野外パーティー(レイヴと呼ばれることが多い)や野外フェスで耳にすることが多い。全盛期のゴアトランスを聞くことのできるコンピレーションアルバムとしては、Dragonfly Recordsの「Voyage Into Trance」や「Order Odonata」シリーズを挙げることができる。珠玉の名作が多く作成されたが、当時のレーベルがほぼ壊滅的な状態のため、現在はDragonfly Records以外のものを入手するのは非常に困難である。

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