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地域とデザインの学校「LIVE DESIGN School」に参加してみて


2023年春に開校した地域とデザインの学校「LIVE DESIGN School(ライブデザインスクール)」。地域を拠点に活動するデザイナーの方たちを筆頭に、参加者同士で仕事や生き方についてなどどっぷり学び合う1年間のスクールです。デザイナーだけでなく、ライター、地域おこし協力隊、公務員、学生…などいろんな立場の人が全国から270名参加していました。

そんなスクールにわたしも参加してみて実際どうだったのか、1年間の関わりや変化、感想を書き記したいなと思います✍️

LIVE DESIGN Schoolの詳細はこちら☟


参加したきっかけ


わたしは福祉業界で働く中でいろんな課題を目の当たりにしてきて、デザインが課題解決のひとつの糸口になるのではと思っていました。デザインを学びたいなと思っていた頃に、地元の福井で開催されたLIVE DESIGN Schoolの開校宣言に参加しました。
1年目のスクールだから実際どんな風になっていくのかわからないけれど、ローカルでの仕事や伝統工芸、ものづくりにも関心があったことから、参加したら絶対おもしろいに違いない!と直感を信じて参加しました。

これからの人生を立ち止まって考えるために仕事を辞めた時だったので、どこで誰と何を生業にして暮らしていくのかを考えるヒントが得られるといいなと思っていたのも参加理由のひとつでした。双子の姉も関心が近くて、まさかの双子での参加となりました!

開校式

4月下旬に六本木のアクシスギャラリーにて開校式が開催されました。オンラインとハイブリッド開催でしたが、せっかくなので現地へ!リードデザイナーや運営のみなさん、日本デザインセンターの原研哉さん、約100名の参加者の方が集まって交流をしました。

たくさんの人が集まりました。
この時にさっそく仲良くなった人も☺️

毎月のレクチャー

毎月1~2回のペースでオンラインプログラムがありました。リードデザイナーが1人ずつ日頃の活動や想い、これまでのこと、これからのことをお話してくださる機会や、お金のことや仲間づくりのことなどのぶっちゃけトークみたいな時間もあって、普段は聞けないような話も詰まったレクチャーでした。参加者の熱量もすごくて、毎回圧倒されていました(いい意味で)。平日夜の20時スタートでしたが、白熱して23時を過ぎることも…!!

番外編として参加者の方が自主的にレクチャーを企画してくれたり、日本デザインセンターの原研哉さんのスペシャルトークも開催されたりと、とても豪華でした…!

九州のフィールドワークへ!

9月に2泊3日で九州フィールドワーク(大分・熊本)に参加しました。
参加者の友達と別府に前日入りして温泉やご飯を楽しんで、翌日は大分空港に集合。マイクロバスを貸し切りで15名ほどで大分→熊本を巡りました。

大分では農家さんのもとに行ってお話を聞かせていただいたり、耶馬渓に事務所を構えるリードデザイナー福田まやさんの自宅に行ったり、大自然の川の天然プールにみんなで服のまま飛び込んだり…。

天然プールは最高でした。
川に飛び込んで一皮剥けた感覚!


熊本では温泉街に変革を起こしている方から話を聞いたり、まち歩きをしたり、阿蘇の大自然を見たり、震災ミュージアムで熊本地震のことを学んだり。

阿蘇の大自然に圧倒された


川に飛び込んで服がずぶ濡れになった時、川の水がすごく気持ちよくて、みんなで童心に帰って遊べたのがすごくいい思い出。つい後先を考えて行動してしまうけど、気持ちの赴くままに動いてみること、意外と後のことは何とかなるなと身をもって感じる経験になりました。

いろいろ印象に残ることはあったけど、フィールドワーク中に行ったレストランサルディナスと竹の熊から見た借景が特に印象的でした。窓から見える景色が美しいってすごく豊かだと感じたし、そんな景色が見られる場所に身を置く時間を増やしたいと感じました。

レストランサルディナス
借景の美しさよ…
竹の熊の借景
竹の熊のごはん

フィールドワーク全体を通して、豊かな暮らしってなんだろうとすごく考えさせられたし、自然の恩恵と雄大さ、災害の恐ろしさとそれに負けない人間のしぶとさを感じる時間でした。

番外編「福祉×行政×デザイン」のレクチャーを企画


福祉とデザインをテーマに活動していきたいと考えている時に、福島県いわき市で行政職員として「福祉×デザイン」に取り組んでいる猪狩僚さんのことを知りました。この取り組みや考え方をLIVE DESIGN Schoolのみんなにも聞いてほしい!と思って、猪狩さんとデザイナーの高木さんをゲストにお呼びした番外編レクチャーを企画させてもらいました。

参加したデザイナーの方から「東京で仕事をしているとデザインが社会の役に立っている実感をしづらいことも多いから、福祉業界でデザインが活きる事例を知れてよかった」と感想をいただいてすごく嬉しかったです。これまで福祉業界と接点のなかった参加者の方も多かったので、考えるきっかけを提供できてよかったなと思います。

参加者インタビュー企画

秋頃に運営チームからの声掛けがあり、1期生にどんな人がいるのかを参加者同士がインタビューしてnoteで発信する企画が発足しました。インタビューライターとしての活動に興味があったので、手を挙げさせてもらって4名の方の記事を書かせてもらいました。

個人的にお話を聞いてみたいなと思っていた方々に声を掛けさせてもらい、1時間ほど話を聞かせてもらいました。参加してからのことはもちろん、その人のこれまでのことにも興味があったので、幼少期の話や学生時代の話まで根掘り葉掘り聞かせてもらっています!よかったら読んでみてください◎

人から話を聞くのはすごくおもしろいし、文章にまとめるのもとても楽しかったです。ソーシャルワーカーとしてこれまで数百人の方と面談をして記録を書いてきたので、スキルが活かせるかも!と気づくきっかけになりました。

デザイン会社でのインターン

会社を辞めてからは、キャリアブレイクをしつつ時々フリーランスとして仕事をしていました。社会人でこんなに時間が自由に使える時期はなかなかなく、リードデザイナーのもとで勉強したいと思ってインターンに参加することを決意。わたしは2月5日~3月5日の1か月間、神戸のデザイン会社「TRUNK DESIGN」にお世話になりました。

夫がデザイン会社の仕事をしていることもあり、これまでデザイナーの方との接点は多少なりともあったのですが、実際に打合せに同席したり、デザイナーの視点で職人さんと関わったりと、仕事として経験するのは初めてでした。これまで福祉業界で働いてきたので、異業種の世界を見ることができて毎日が新鮮で濃かったです…!

TRUNK DESIGNは狭義のデザインの仕事にとどまらず、コンサルのような仕事や小売り、卸、ものづくりを伝えるカフェ、印刷のファクトリー、イベントの企画運営など活動が多岐にわたります。スタッフも10名以上いますが、そのうちデザイナーは2人のみ。デザイナー”じゃない人”の関わりしろが多い会社なのもおもしろかったです。

細かいところまで書くとかなり長くなってしまうのですが、いろんな経験をさせてもらいました。

・東京の展示会での接客
・イベントの打合せに同席
・デザイン制作の打合せに同席
・カフェスタッフとしてお客さんに作り手のストーリーを伝える
・印刷のファクトリーで名刺作成の打合せに同席
・丹波焼の窯元で職人さんから話を伺う
・トークイベント、スナックイベントの運営
・番外編神戸フィールドワークの運営
・マッチやお香メーカーさんの工場見学
・行政のデザイン経営に関する事業でのプレゼン見学 
…など盛りだくさん。

リードデザイナー堀内さんの職人さん、メーカーさんとの付き合い方、経営者としての考え方、デザイナーとしての動きなどを見させていただきました。他のスタッフの方のお話もたくさん聞くことができました! 

神戸フィールドワーク
photo by 原くん
フィールドワークの夜ごはん
丹波焼の俊彦窯さんへ。
貴重な火入れと窯出しを見られた…!


インターンを通して、ものづくりをされている方へのリスペクトがより強くなり、伝え手として活動していきたいと思うようになりました。また、東京の展示会で福井チームのF-TRADのブースに立たせてもらったこと、他の産地を見たことによって、地元・福井のものづくりのことをもっと知りたいと思うようになりました。

1年間参加してみての感想や変化

スクールに関する大きなトピックは書いたのですが、それ以外にもいろんな面で関わりがありました。仕事を辞めたタイミングだったので時間もあり、個人的にリードデザイナーの拠点に行かせてもらうことも多かったです。(奈良、神戸、新潟、富山、島根などに行きました)

フィールドワーク以外にも、RENEWにメンバーが40名ほど集まったり、Slackでイベントに誘い合ったりと直接会う機会がたくさんありました!オンラインが主だと思っていましたが、たくさんの方とお話して繋がることができました。

1年間でたくさんの気づきがあって書ききれないことも多いのですが、全体を通しての感想や変化を4つ書きます。

①全国にリスペクトできる仲間ができた
いろんな世代・立場の方が参加されていて、リードデザイナーをはじめとして互いのことをリスペクトし合って応援し合える仲間がたくさんできたと感じています。同世代の参加者も多く、全国に仲のいい友達ができました。価値観の近い人とたくさん出会えたので、これからも長く付き合っていけるといいなと思います。

②デザイナーとの共通言語を持てるようになった
この1年でデザインの考え方を学ぶとともに、デザイナーの方と直接関わる機会が圧倒的に増えました。広義のデザインを学ぶスクールなので、自分自身が手を動かしてデザインができるようになった訳ではないけれど、共通言語を持てるようになったように感じます。(当初はポートフォリオとかディレクションとかわからない言葉がいっぱい…!)

最近は広報物などのデザインを見ると、誰がデザインしているんだろうと気になって調べるようになりました。狭義も含めてデザインを意識する機会がかなり増えたなと思います。

③いろんな地域のことを知ることができた
全国津々浦々から参加していたので、地名を聞くとそのエリアで活動しているLDSメンバーの顔が浮かぶようになりました。いろんな地域の特性を知れたし、何より顔が見えるようになったので、まちに足を運ぶきっかけにもなりました。

④地元のものづくりやまちのことをもっと知って、発信したくなった
大学生になって地元の福井を離れ、外に出たことで地元のよさを感じるようになりました。社会人になってからまちづくりや地方で働くことに興味を持ち始め、地元の魅力を発信したい、地元で活動したいという気持ちはずっとあったのですが、具体的なアクションまではこれまで起こしきれずにいました。
この1年で福井に関わりたい気持ちがより強くなったので、今年はものづくりやまちのことを知って、福井のファンを増やす活動をしていきたいと思います。実際に3、4月と続いて、友人知人に福井を案内する機会を持てたのがすごく嬉しかったです。

これからの活動について

拠点について
家族のこともあって今は愛知に住んでいるので、愛知に拠点を置きつつ、福井でも仕事ができるといいなと思っています。瀬戸内も大好きでいつか住んでみたいという気持ちもあるので、まずは定期的に足を運んで繋がりを増やしていけたらなと思います。

仕事や活動内容について
自分が働きたい!という会社が見つかれば就職するのもいいなと思いつつ、今はいろんなことに興味があるので、フリーランスとして複数の活動に関われたらと思っています。最近はLIVE DESIGN Schoolの広報にも関わっています!

自主プロジェクトとして取り組んでいきたいことは、現時点だとこんな感じです。
〇福井のものづくりやまちを知る・伝える
(特に地元の越前エリア、六古窯のひとつ越前焼のリサーチをしたい!)
〇福祉とデザインの関わりしろを探す
(福祉職とデザイナーのコーディネーター的な立ち位置がよさそう)
〇キャリアにもやもやしている人に向けた場づくり、メディアづくりをしたい

やってみたいことはいろいろあるので、少しずつ進めていけたらと思います。一緒に活動する仲間も見つけたい!

2024年度メンバーを募集中!

2024年度は5月からスタート予定。昨年はオンラインが中心でしたが、今年はレクチャーが現地でも開催されることになったので、現地とオンラインのハイブリッド開催になります。スクールとしての学びはもちろん、コミュニティとしての要素が魅力だなと思っています!

2024年度のエントリーは4月29日(月)までです。
https://docs.google.com/forms/d/18VK37CwhHRq4WPeBJmj0Yvm3dThGbH4JWpckRm84HOY/viewform?edit_requested=true

4月はオンライン説明会や全国各地でトークイベントを開催中なので、気になる方は参加してもらえると嬉しいです。最後は宣伝みたいになってしまいましたが、わたし自身はこのスクールに参加して本当によかったなと思っています。もしピンと来る方がいれば、ぜひ参加してみてください!

かなり長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました◎

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