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最果タヒ展で私が読んだもの

仙台パルコで開催された最果タヒ展に行った。

“会場にあるのは、作品があなたに読まれ、初めて意味を持つものであってほしいと願う、最果タヒによる「詩になる直前」の言葉たち。”(上記サイトより引用)

自分が立ち止まる場所によって、その瞬間によって、ことばが揺れ、繋ぎ目が変わる。
一枚ことばが裏返れば、見える風景や聞こえる音が真逆になる。
日本語の文法としては正しく繋がらないこともある。
背景に見えることばたちも、そのときそのときで変わる。


下のことばが黒のとき
下のことばが白のとき

同じ会場で同じことばを見た人が累計500人いるとすれば、500通りの詩がある。この展示のコンセプトは、そういうことなのだろうと解釈した。

私が読んだ詩。

その中でも残したかった、私が出逢うべくして出逢った詩を、読んでほしい。
タップして画像だけで見たほうが断然画質がいいです。

“冬のせいで生まれる恋”
私「それな」
考えさせられた。私は、どっちの“ひと”だろう。
このことばそのものが何よりも美しい
絶対にこの2枚で残したくて何分もタイミングを待った
“比喩を語るたびフィクションになる人生”
私「それな」(take2)
四季がある国に生まれてよかった
結構昔から、こういうことを考えがち
高校時代の友人を思い出した
強烈に記憶を呼び起こされる。
このことばには実感がある。
自分にも、あの子にも、もしかしたら貴方にも。


私が行ったのは、2月末。
1週間早ければ、目に留まらなかったかもしれないことばたち。

喉が詰まった感覚がした
黒だと裏は透けないのに、
白は、黒を浮かび上がらせる。
愛、平和、世界、破壊
“美しい言葉に救われないもの”
私には心臓があるのか? なんて


そういえば「ことば」とは、葉っぱだった。
読んでいる最中にひらりと姿を変える一枚のことばは、それの本来あるべき姿なのかもしれない。


あとがきを読んで立ち尽くした。

「世界」「命」「平和」「破壊」「地球」。
そんな大きなことばたちを、私はあまり好まない。
だけど私はこの日に見たから、足が止まった。目で追った。写真を撮った。

“自分はどう思うか、ということも、瞬間瞬間に切り替わり、より刹那的になっていくのかもしれない。”
それをまさにこの展示で、私は体験した。

最後に、私にとっての“「存在の確かさ」”を感じたことば。

愛は、そこまで思慮深くはない。


チラシの裏は、私だけが読みます


Instagramには違う写真を載せていますので、ぜひ。


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