見出し画像

アンコール!!

鑑賞時の感想ツイートはこちら。

2012年のイギリス映画。頑固でいつも不機嫌な72歳の夫アーサーと、病弱ながら彼とは対照的に明るく社交的な妻マリオン。ロンドンを舞台に、老夫婦の愛情を描いた心あたたまるヒューマン・コメディ作品です。原題 "Song for Marion"。

画像1

主な登場人物
アーサー(テレンス・スタンプ)
気難しくて人付き合いは悪いが、妻を愛しており、妻の頼みなら断れない。合唱の練習が行われる公民館まで、マリオンの送迎をしている。
マリオン(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)
病弱ながらもシニア合唱団で歌い、人生を謳歌している。合唱の練習中に倒れ、癌の再発が判明。余命数ヶ月と診断される。
エリザベス(ジェマ・アータートン)
ロックやポップスを歌う型破りなシニア合唱団「年金ズ」をボランティアで指導している。普段は学校の音楽教師。
ジェームズ(クリストファー・エクルストン)
アーサーとマリオンの息子。素直に愛情表現できず自分を認めてくれない父(アーサー)とは、ぎくしゃくしている。母(マリオン)は息子と夫の関係に胸を痛めている。

“たまごイエロー”のインテリアが素敵!

海外の、特にわたしの大好きなイギリスの映画を観ていると、家の中のインテリアがとても「素敵だなぁ」と、いつも思います。

本作でも、アーサー&マリオン夫妻のおうちが素敵♩

画像2
(画像の人は、息子のジェームズ)

壁の色の組み合わせをご覧ください。手前のリビングがシックなグレーの植物柄。そして奥に見える廊下はイエロー系のストライプ。さらに奥には “たまごサンド” のフィリングのような無地のイエロー!

絶妙なバランス! 可愛い!♡

マリオンの明るい人柄を表しているような、家庭的でほっとする色使いですよね。

この “たまごイエロー”(勝手に命名)、わたしがひそかにずっと憧れている色なのです。わが家のインテリア、たとえばキッチンなどに取り入れてみたいなぁ♩――と。

画像3

この構図も良いですよね〜!
「ぬぬぬっ、 監督、やるな?」
とニンマリしちゃう感じ。

父アーサーと息子ジェームズの状況を、家の中の壁を挟んだ構図で対比させて表現しています

"True Colors" など、数々の名曲が♩

マリオンが楽しみに通っているシニア合唱団の名前は「年金ズ」(OAPZ:Old Age Pensioners)。ネーミングに皮肉的ユーモアを感じるところが既にイギリスっぽい。笑

画像4

おじいちゃん・おばあちゃんたちが嬉々として歌うのは、"Let's Talk About Sex"。その様子を見たアーサー、ドン引きするの図。笑

ソルト・ン・ペパの元歌はこちら。

・・・

作中、マリオンがソロをとってシンディ・ローパーの名曲 "True Colors" を歌うシーンがあります。

画像5
(髪にお花をつけてるおばあちゃんがいたりして可愛い♡)

わたし、この曲が大大大好きで……♩

自分の「お葬式の時に流して欲しいプレイリスト」には絶対この曲を入れたい! というくらい好き。

他にプレイリストに入れたい曲は、
○ サッチモの "What a Wonderful World"
○ ディズニーシー「シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ」の『コンパス・オブ・ユア・ハート
などなど……

YouTube にマリオンが歌っているシーンの動画もあったのですが、そちらはぜひ本編でじっくり聴いていただきたいので、本家・シンディのこちらを♩

But I see your true colors
Shining through
I see your true colors
And that’s why I love you
So don’t be afraid to let them show
Your true colors
True colors are beautiful,
Like a rainbow

若かりし頃、はじめて歌詞の意味を知った時、涙がこぼれました。

笑顔を忘れ、打ちひしがれている人に

「あなたの “そのままの色” は、どんな時も美しいんだよ」
「だから、わたしはあなたを愛しているんだよ」
「恐れずに、その色を輝やかせて」

と語りかける歌なんですよね。なんて大きく深い愛情なのでしょう。本当に素晴らしい曲だと思います。

本作では、愛する夫アーサーに捧げるようにマリオンがこの曲を歌います。曲の良さも相まって “じ~ん……” とする素敵なシーンです。

・・・

それから、「年金ズ」のみんなが、スティーヴィー・ワンダーの "You Are The Sunshine Of My Life" を歌うシーンも。

これも名曲♩

・・・

ビリー・ジョエルの "Lullabye (Goodnight My Angel)" は、本作で使われているシーンも感動的なのですが、ぜひこちらの動画で聴いてみてください♩(日本語字幕オンがおすすめです)

ビリー・ジョエル自身が、この曲を書くことになったきっかけや、曲に込められた想いなどを語っています。

当時7歳だったお嬢さんから意外な質問を受け、ビリーが答えたこの言葉。

"I'll never leave you. I will never go away. Never never ever leave you."

愛する娘さんへの深い愛が詰まっていますね。

そんなエピソードと共にこの曲が演奏される様子を観ていたら、なんとも胸がいっぱいになって、泣けてしまいました。涙
(ビリー本人も曲の途中で胸いっぱいになって、演奏をいったん中断していますね)

邦題が無難すぎる問題。笑

人嫌いのアーサーが葛藤しながら少しずつ変わってゆく姿、長年連れ添った妻マリオンとの愛情、息子との関係――などなど。笑って、泣けて、心あたたまる良作。

なのに邦題が『アンコール!!』って!
無難すぎるし、雑!


もっと何か、思いつかなかったんかい!笑

とツッコミを入れたくなるのが唯一の難点でしょうか。
(原題 "Song for Marion" の方がよっぽど合っているのにね)

画像6


▼ シニア世代が主人公の関連作品

▼ 全作品インデックスはこちら


いただいたサポートは、大切にわたしの「しあわせ時間」に役立てます。いつもより多く映画館へ行けるかも♩