物語を読むことは、他人の眼鏡を借りることに似ていると思う。その人が見ている世界を、自分もレンズ越しに見て体験できる。目線の高さも道行く人の顔色も吸い込む空気の味も匂いも、"見えにくさ"も。自分以外の人が、世の中の全てをどんなふうに感じて味わうのかを覗くのは、面白いしどきどきする。

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