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殿方からの恋文は字が完璧すぎないくらいがいい

あいかわらず、大河ドラマ「光る君へ」にはまっております。
まひろと道長が一生懸命、文のやりとりをして、やっと想いが通じ合って結ばれたものの、「妾になるのはいや!」とまひろと意見が割れて…結局道長は正妻にまひろの友人の倫子(超お姫様)を選びましたね。
倫子にきちんとした文を送るため、字の練習をしていました。

ですが、個人的には「下手な字でも、道長がまひろに贈った文の字も内容も、よかったのにな」と思います。

道長は最初、有名な恋の和歌をパクり(笑)、一生懸命まひろに何度も送ります。
君がいないとだめだ、とか、会いたいんだよーみたいな有名な歌ですね。
道長くんは、友人の名筆で名の知られた歌上手でもある行成くんに字を習わないといけないくらい、ちょっと字にも歌にも自信がない。
だから、有名な歌をつかいながら、なんどもつたない字で文を送るわけです。
でもまひろは「冷静になりましょう、あなたは出世しより良い社会づくりに邁進して」みたいな漢文を返し続ける。
しかし最後にコロリといってしまう。
それは、道長がどの有名歌でもない、自分の言葉で単刀直入に書いた言葉が、文に書いてあったとき。
これをみた瞬間、まひろは道長のもとに走ったわけです。

やっぱり、「自分の気持ちを自分の言葉で」かかれた文は、最強なんだなー!!と思いました。特に男性からの文の場合、字の綺麗さや上手さ以上に、大事かもしれない。いわゆるラブレターでは。

かくいう私は、こんなに語りつつも、いわゆる「ラブレター」はもらったことがないんですね…(笑)

ただ、高校生の時に好きな人と文通をしていたときに、同じような想いを感じました。
(両想いかはわからない男友達との淡い思い出ですのでラブレターではないです。)

その文通相手の男子が、めちゃくちゃ頭がよい人だったのに、手紙にたまに誤字があったりして。
書き出しはキレイな字なのに、自分が好きな物の話題の部分とかは、筆がのるのか、少し字が雑だったりして。
それが、なんか私は嬉しかったんです。
思わず字が間違っちゃうくらい、字が汚くなっちゃうくらい、「冷静」より「気持ち」が先になって一生懸命書いてくれたんだろうなあ、とか思ったり。
最後の方だけ字がぐにゃ〜てなってるときは、「学校が大変だけど、書きたいことがあって書き始めてくれて、最後ねむくなっちゃったのかな」と、想像してホッコリしたり。
なんか、男の人からの手紙って、そういう「完璧ではない、ゆらぎ」みたいなのがあればあるほど、「いいな〜」とキュンとしちゃいます。

逆に、美文字で完璧な文の手紙をもらったら、ちょっと他人行儀な感じがでるかも?
冷静沈着で…てなると、なんだかビジネス文書っぽさが出ちゃうのかなぁ…と思います。
手紙はやっぱり、その人らしさがこぼれ出ているような部分がある方が、グッときますね。特にラブレターは、「自分の言葉で」かきつづったのがおすすめです。多少の誤字より「想いのつよさ」です。

とはいえ、今はLINEもSNSもあるし、手紙を書くこともないですよね。
パパッと用事や思ったことを伝えたいなら、そういうツールやメールでいいんですけど。
そんな時代にあえて「文(ふみ)」に書いてくれる手間にも、なんだかグッとくる気がします。令和の時代だからこそ、「字を書く」行為に、何か稀少性みたいなものさえ感じるような…。
もしも、想いを伝えたい人があれば、令和の今こそ、「文(ふみ)」、意外とおすすめかもしれません🌸



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